海外クレジットカード事情
カナダはクレジットカード社会!困った時にも役立つ利用術

投稿日時:2019.09.03
北米カナダには年間数多くの外国人が訪れます。カナダは治安や環境が良く、日本人にとっても旅行先や留学先として安心な国の一つですよね。
人気の観光スポットやお土産品も気になりますが、肝心なのは先立つもの。滞在中の決済方法をキチンと調べておかないと、旅行先で不自由な思いをするかもしれませんよ。
カナダではどんなクレジットカードが使えるのでしょう?また現金はどうやって手に入れるのがベストなのでしょうか?カナダ旅行で困った時にも役立つ、様々なクレジットカード利用法をご紹介します。
カナダはクレジットカード社会!入国するにもカードは必需品
結論から先に言いますと、カナダは押しも押されぬクレジットカード社会です。小さなお店やスーパーマーケットでもカード決済できるので、カナダ旅行にはクレジットカードが欠かせません。
カナダでは交通機関や美術館でもカードが使える
カナダの生活にはクレジットカードがすっかり浸透していますから、以下のようにどんな場所でもカード決済が可能です。
- ホテル(デポジット、料金)
- ショッピングモール
- スーパーマーケット
- ファストフード
- コンビニ
- タクシー
- 交通機関
- 美術館・博物館
- eTA(電子渡航認証)
カナダではクレジットカードを主な決済方法にできますから、現地通貨のカナダドルは補助的なものと考えて構いません。
ホテルのデポジットにはクレジットカードを
カナダのホテルにチェックインする際にはデポジット(保証金)が必要ですが、これにも必ずクレジットカードを使ってください。
デポジットに現金を使用すると両替手数料が無駄になりますし、デビットカードを使用すれば返金手続きにかなり時間がかかるからです。
カナダではホテル以外にも、コンビニやファストフードなど少額決済にもクレジットカードが使えます。
日本人が空路で入国する際にはeTAが必要
ここで「eTA(電子渡航認証)」についてもご説明しておきましょう。eTA(イータ)とはElectronic Travel Authorizationの略で、電子渡航認証のことです。勘違いしやすいのですが、eTAはビザ(査証)とは全く別のものです。
・2016年3月15日から始まった新制度
・空路で入国する際に必要
・取得料金は7カナダドル
・事前にオンライン申請する
・有効期間は最長5年間
カナダへの観光旅行にビザ取得は必要ありませんが、その代わりにこのeTAの事前申請が必須なのです。ただし陸路あるいは海路でカナダに入る人にはeTAも必要ありません。eTAは飛行機でカナダに入国する場合にのみ必要なものです。
eTAの有効期間は最長5年間ですが、その前にパスポートの期限が切れたら再度申請し直してください。
eTA申請料金はカードでしか支払えない
この電子渡航認証eTAはオンラインでしか申請できず、料金の支払いはカードのみ対応です。以下はeTA申請料金の支払いに対応するカード一覧です。
- VISA
- Mastercard
- JCB
- American Express
- 銀聯(UnionPay)
- プリペイドカード(Visa、Mastercard、American Express)
- デビットカード(Visa Debit、Debit Mastercard)
日本で発行されているクレジットカードのうち対象外はDiners Clubだけで、これ以外のブランドであればどれでも使用可能となっています。
プリペイドカードやデビットカードも使用可能ですので、eTA申請の料金はお好きなカードでお支払いください。
電車・バス・フェリーの切符はクレジットカードで
カナダでは交通機関にもクレジットカードが使えるので、切符を買うために現金を準備する必要がありません。
バンクーバーは公共交通期間がとても発達しています。交通網は幾つかのゾーンに分かれており、同一ゾーン内は1枚の乗車券で90分間乗り放題です。
- バス
- SkyTrain(スカイトレイン:電車)
- SeaBus(シーバス:フェリー)
しかも以下のどの交通手段を乗り継いでも構いません。この乗車券はクレジットカードで購入できますよ。
コンパスカードはクレジットカードでチャージできる
カナダでは2018年5月から、クレジットカードやスマートフォンで直接タッチできるコンタクトレス決済「Tap to Pay」が導入されました。しかし残念ながら、日本で発行されるクレジットカードはこのデバイスに対応していません。
そこでおすすめしたいのが、カナダの交通カード「コンパスカード」です。こちらも日本のSuicaのように便利に使えて、クレジットカードでチャージが可能です。
コンパスカードは、カナダを電車やバスで移動する方はとても便利なアイテムです。
・購入場所:各駅、券売機、インターネット
・デポジット:$6
・運賃が割安になる
・購入・チャージにクレジットカードが使える
コンパスカードはタップし忘れにご注意
コンパスカードは乗車時や降車時にリーダーにタップして使用しますが、交通機関によってタップ方法が異なることにご注意ください。
- 電車とフェリー:Tap In(乗車時)+ Tap Out(降車時)
- バス:Tap In(乗車時)
またTap Outを忘れたり仕損なったりすると、3ゾーン分の料金が課金されてしまいます。降車時のタップはじっくり確実に行いましょう。
カナダではどのブランドのクレジットカードが使いやすいの?
カナダは交通機関にも便利にカードが使えるカード大国ですが、カードブランドによって使い勝手が違ってきます。
日本では問題なく使えても、同じブランドがカナダでも使えるとは限りません。果たして新しいクレジットカードを作る必要があるのかどうか、カナダ旅行の予定がある方はぜひ以下をご一読ください。
VISAとMastercardが使いやすい
カナダ旅行に持っていくのに最適なクレジットカードのブランドは、やっぱりVISAもしくはMastercardです。
両ブランドは日本でもシェア率が高いので、どなたも1枚はお持ちでしょう。この2ブランドなら、普段日本でお使いのクレジットカードがカナダでもちゃんと通用しますよ。
PINとサインの確認を忘れずに
ただしカナダ旅行までには、必ず以下2点をチェックしてくださいね。これがないとカナダではクレジットカードが使えません。
- 4桁の暗証番号(PINコード)を正確に覚えているか
- 裏面に署名をしているか
4桁の暗証番号を思い出せない方は、カナダ旅行までにカード会社の「暗証番号照会サービス」をご利用ください。
JCBは優待が豊富!旅行好きの方は是非サブにおすすめ
JCBブランドのカードをお持ちの方も多いと思いますが、カナダ旅行中このブランドのカードだけで通すのはおそらく難しいでしょう。カナダにはJCB加盟店の数が十分ではないからです。
しかし以下の利点がありますから、カナダ旅行にJCBブランドのカードを持参する価値は高いですよ。
- 「JCBたびらば」優待店が使える
- バンクーバーの「JCBプラザ」が使える
カナダには「JCBたびらば」優待店が50店舗以上もあって、それぞれの店舗でJCBカードを使うと代金が割引になったりプレゼントが貰えたりするのです。
またバンクーバーにはスタッフ常駐のJCBプラザ(営業時間:AM9:30~PM6:00、定休日:土・日・祝日)が設置されていることも、カード会員にとっては安心ですよね。
カナダではアメックスも使えるが手数料が高い
またAmerican Expressブランドのクレジットカードは、カナダではJCBよりも使えるお店は多いのですが、以下の問題点があります。
・為替手数料がやや割高
・Amexプロパーカードはキャッシングができない
・(注):Amex提携カードはキャッシングできる
まず第一に、Amexブランドはこの通り他ブランドに比べて為替手数料が若干割高です。
- Amex:2.00%
- VISA:1.63%
- Mastercard:1.63%
- JCB:1.60%
- Diners Club:1.30%
僅かな差なので気にするほどではないですが、他ブランドのカードをお持ちなら、敢えてAmexを使うことはないでしょう。
アメックスのプロパーカードではキャッシングできない
しかしもっと問題なのは、Amexプロパーカードはキャッシング機能が使えないことです。
日本で発行されているAmerican Expressカードは、ショッピング機能のみでキャッシングが使えません。
ただしキャッシングできないのは、アメックス社が発行するプロパーカードだけです。国内カード会社が発行する様々なAmexブランドのクレジットカードなら、カナダでも問題なくキャッシングできますよ。
Amexプロパーカードは旅行関連の特典が多いので、カナダ旅行に持参するならメインカードとしてVISAかMastercardを組み合わせてください。
カナダではチップが必要
なぜ海外キャッシングが必要かというと、カード大国のカナダでも以下のように現金を使用する機会があるあるからです。
- ホテルやタクシーのチップ
- ディスカウントショップなど一部の店舗
カナダではチップの習慣があるので、1つのサービスに対して1~3カナダドルをご用意ください。なおレストランなどでは、伝票にチップ代金を記入して、合計額をクレジットカードで支払うことも可能です。この場合、チップの目安は料金の10%~20%です。
必要以上の現金を持ち歩くのはよくない
一般的にはカナダ旅行前に、国内の銀行や外貨宅配を使って両替を済ませる方が殆どだと思います。しかし両替する額が少なすぎれば、旅行中に現金が底をつく可能性も。
かといって必要以上のカナダドルを持ち歩くのは、防犯上もコスト的にも好ましくありません。そこでカナダ旅行中は、必要に応じてキャッシングするのが一番なのです。
現地のATMでカナダドルを入手できる
カナダのATMでは、以下ブランドのクレジットカードでキャッシングが可能です。
- VISA
- Mastercard
- JCB
- Diners Club
- American Express(但しプロパーカードを除く)
ただしATMによって対応が異なるため、JCBやAmexは必ずしも使えるとは限りません。カナダではATMも、やはりVISAとMastercardが安定して使いやすいブランドです。
VISAかMasterをメインに2枚以上必要
旅行中は何が起こるかわからないので、カナダにはVISAもしくはMastercardをメインに、必ず2枚以上のクレジットカードを持参頂き、優待豊富な。
以下のようなトラブルで、持参したクレジットカードが一時的に使えなくなることも考えられるからです。
- カード限度額をオーバーしてしまった
- ATMで何度試してもエラーが出る
- その他原因不明の理由で決済できない
- カードの紛失や盗難
予備のクレジットカードを持っていれば、こんな時でもきっと焦ることなく適切に対処できるでしょう。
カナダ旅行にこれがあると安心!おすすめのクレジットカード3選
カナダ旅行におけるクレジットカードの利用法については以上です。最後にカナダに持参するにはピッタリのクレジットカードをご紹介しましょう。
いずれも付帯保険が充実しており、複数のカードを合算すればさらに補償を強化できます。帰国後も長く愛用できる3枚を厳選しましたので、ぜひこれを機会に入会をご検討ください。
年会費無料ハイスペック!JCB CARD W / JCB CARD W plus L
JCB CARD W / JCB CARD W plus Lは、同じカードの男性版 / 女性版です。JCB CARD W / JCB CARD W plus Lは年会費無料で基本還元率も1%と高還元、海外旅行保険も付帯するハイスペックカードですので、カナダにはおすすめです。
一番のおすすめポイントは、カナダには「JCBたびらば」優待店が多数あることですね。このカードならカナダをお得に楽しむことができますよ。以下に「JCBたびらば」優待の一例をご紹介しておきましょう。
JCBたびらば優待店 | 所在地 <ジャンル> |
優待内容 |
---|---|---|
SKYLON TOWER スカイロン・タワー |
ナイヤガラフォール <展望台> |
プレゼント |
PIKA VILLAGE ピカ ビレッジ |
バンフ <お土産> |
10%オフ |
COYOTES コヨーテス |
バンフ <レストラン> |
10%オフ |
KIRIN MANDARIN Restaurant キリン・マンダリン・レストラン |
バンクーバー <レストラン> |
デザートサービス |
Mosaic Bar & Grille モザイク・バー・アンド・グリル |
バンクーバー <レストラン> |
15%オフ |
Ramen Raijin ラーメン・雷神 |
トロント <和食> |
ギョウザサービス |
JCB CARD W / JCB CARD W plus Lはは39歳以下の方限定のクレジットカードですので、40歳以上の方なら当日発行翌日届けにも対応しているJCB一般カードがおすすめですね。
年会費 | 無料 |
---|---|
スペック |
・JCB ・申し込みは18歳以上39歳以下限定 ・標準還元率は1% ・JCBたびらば優待 ・シドニー、ゴールドコーストにJCBプラザあり ・海外旅行保険 最高2,000万円(利用付帯) ・海外ショッピングガード保険 |
付帯保険の強化にピッタリ!エポスカード
エポスカードは年会費無料ですが海外旅行傷害保険がとても充実したクレジットカードです。しかも保険は条件なしに有効になる自動付帯。
カナダ旅行中のトラブルに対応する治療補償が充実しており、保険の強化には最適ですよ。保険の強化とは、2枚以上のカード付帯保険の補償額を合算することです。
・複数の付帯保険はそれぞれの補償額を合算できる
・死亡後遺障害については一番高い補償額が採用される
キャッシュレス診療にも対応しますから、カナダ旅行中に何かあっても電話1本で適切な病院を紹介してもらえますし、現地での清算も必要ありません。以下はエポスカードのスペックです。VISAブランドなので海外での使いやすさは抜群ですよ。
年会費 | 無料 |
---|---|
スペック |
・VISA ・最短即日発行 ・海外旅行傷害保険(条件なしで発動、治療補償が充実) ・キャッシュレス診療対応 ・日本国内に10,000店舗の優待店 |
海外利用5%キャッシュバック!学生には学生専用ライフカード
学生専用ライフカードは学生さんには一押しの1枚です。海外利用については5%キャッシュバックと抜群の還元率で、カナダ旅行にこれほどお得なカードはありません。
しかも海外旅行傷害保険は利用条件のない自動付帯で、治療費用も200万円と高額です。他のカードと合算すれば、カナダ旅行には十分な補償を確保できるでしょう。
こちらもキャッシュレス診療対応なので、適切な病院を紹介してもらえて現地での支払いも不要です。
海外優待や付帯保険は学生時代の限定特典です。卒業すればこれらの特典は使えなくなり、スタンダードタイプのライフカードと変わらなくなります。
年会費 | 無料 |
---|---|
スペック |
・VISA、Mastercard、JCB ・海外ショッピングは5%キャッシュバック ・海外旅行傷害保険 最高2,000万円(利用条件なし) ・キャッシュレス診療 |
カナダ旅行中のトラブルも安心!クレジットカード付帯保険
クレジットカードは海外旅行中、決済手段としてだけでなく現地通貨の調達方法にも便利なんですね。でもこれだけではなく、クレジットカードは旅先の様々なトラブルにも対処できるんですよ。
次にカナダ旅行でのクレジットカード付帯保険の利用法についてご説明しましょう。
カードの紛失盗難時にはカード会社に連絡を
治安の良いカナダでも、盗難に遭う可能性はゼロとは言えません。特に旅行客は狙われやすいため用心が必要です。バッグ、財布、スマートフォンなど身の回りの品の管理にはくれぐれも気をつけてください。
クレジットカードの盗難対策としては、複数のカードを別々の場所にしまうことをおすすめします。
そしてもしもクレジットカードが盗まれた場合は、できるだけ早くカード会社に連絡を入れましょう。カード本体が失くなってしまった時のことを考えて、カードデスクの緊急連絡先一覧をプリントアウトしておくことをおすすめします。
カード付帯の海外旅行傷害保険が役に立つ
カナダ旅行には、できればクレジットカードの海外旅行傷害保険の規約も一緒に持参しましょう。
海外旅行傷害保険は以下のようなトラブルに適用されますが、その補償内容や請求方法を知らなければ保険金を受け取ることができないからです。
- バッグを盗まれた
- カメラが壊れてしまった
- ホテルの備品を壊して損害賠償請求された
- 体調が悪いので医師の診察を受けたい
- 交通事故で病院に運び込まれた
クレジットカードにオマケでついてくるものですが、海外旅行傷害保険はとても頼りになる存在なんですよ。
キャッシュレス診療なら医療費の支払いも不要!
特に旅行先のケガや急病時には、キャッシュレス診療対応の海外旅行保険が役に立ちます。
カナダ旅行のためにクレジットカードを作るなら、ぜひこのキャッシュレス診療対応の保険がついたものを選びましょう。
カナダの医療費は高いので旅行保険が不可欠
どうしてこんなに旅行保険が大事かというと、カナダの病院で治療を受ければ日本よりもずっと高くつくからです。
しかもカナダは専門医が少なく、自国民でもなかなか予約が取れません。街中には簡易な診療所もありますが、設備が整っていない上に常に混雑しています。
やはり旅行者は少々費用が高くても、私立のクリニックを利用するべきでしょう。
そしてそのためには、適切な病院を紹介してもらえる上に支払いも不要なキャッシュレス診療つきの海外旅行保険が不可欠なのです。
医療搬送されると数千万円以上の費用がかかる!
ではカナダ旅行中にケガや病気になったら、一体どのくらいの費用がかかるものなのでしょうか?
以下はカナダ滞在中に起こった事例と、海外旅行傷害保険で支払われた保険金の一覧です。
事例 | 保険金(概算) |
---|---|
頭痛・嘔吐・腹痛 腹膜炎と診断 10日間入院・手術 家族が駆けつける |
540万円 |
転倒して内臓を損傷 10日間入院・手術 家族が駆けつける |
330万円 |
脳炎で救急搬送 19日間入院 家族が駆けつける 医師・看護師が付き添いチャーター機で医療搬送 |
3,900万円 |
落馬して救急搬送 骨折と診断 13日間入院・手術 家族が駆けつける 看護師が付き添い医療搬送 |
830万円 |
転倒して救急搬送 大腿骨頸部骨折と診断 8日間入院・手術 家族が駆けつける 看護師が付き添い医療搬送 |
600万円 |
腹痛で救急搬送 憩室炎と診断 5日間入院 家族が駆けつける |
330万円 |
高熱が続き受診 肺炎と診断 10日間入院 |
320万円 |
胸の痛み ヘリコプターで搬送 急性大動脈解離と診断 家族が駆けつける |
320万円 |
上記は救急車が出動するような重い事例ばかりですが、もちろん軽度の治療に対しても、手続きすればちゃんと保険金が支払われます。
カナダ旅行にはクレジットカードが役立つ!最低2枚はご持参ください
カナダはクレジットカード社会なので、旅行にカードを持っていけば大抵の用はこなせます。入国に必要なeTAの料金もクレジットカード払いが可能です。
チップなどに必要な現金は、カナダに着いてからキャッシングで調達しても構いません。ただしそのクレジットカードがキャッシングに対応しているかどうか、出国前に必ずご確認ください。
カナダは医療費が高いので、海外旅行傷害保険のためにもクレジットカードが絶対に必要です。十分な補償を得るために、カナダ旅行には最低でも2枚以上のカードをご準備ください。