交通系電子マネー
福岡の3つの電子マネーを徹底比較!タイプ別におすすめの1枚
投稿日時:2019.08.28
主要な鉄道会社から発行されている交通系電子マネーでは、路線の集中度合いによっては複数のサービスが1つの地域で重複してしまうこともあります。
その場合、複数の電子マネーの中からどれを選ぶべきか迷ってしまう方も多いですよね。例えば福岡では、『nimoca』、『SUGOCA』、そして『はやかけん』という3つの交通系電子マネーのエリアが1つの地域に重なっています。
ここではこの福岡で選べる3つの交通系電子マネーについて比較検証を行い、ベストな1枚の選び方について解説していきましょう。
福岡で使える3つの電子マネーの基本概要
福岡では下記3つの交通系電素マネーが利用できますが、発行会社や独自の利用可能エリアは、実はそれぞれ異なっています。
そこでまずは3つの電子マネーの発行会社やエリア、機能など基本概要を簡単に確認しておきましょう。
九州最大手私鉄『西鉄』発行のnimoca
nimocaは九州の最大手の私鉄『西日本鉄道』、通称『西鉄』の完全子会社である株式会社ニモカより発行されています。

西鉄グループの電車・バス路線以外にも大分や宮崎、熊本、佐賀と言った九州の幅広いエリアのバスや市電路線をエリアとしているほか、大きく飛んで北海道の函館でもバス・市電の乗車に利用可能です。
乗車券機能に加えてnimoca加盟店となっている店舗・施設での電子マネー支払いにも使えて、チャージが必要なプリペイド式をとっています。
JR九州発行の交通系電子マネーはSUGOCA
JR東日本のSuicaを先駆けとして全国各地のJRでそれぞれ交通系電子マネーを取り扱っている中、JR九州で発行されているのがSUGOCAです。

SUGOCAの独自エリアとなっているのは、九州全域に広がるJR九州の主要路線のほとんど、そして北九州市を走る北九州モノレールです。それに加えてこちらも全国相互利用サービスの連携に加わっており、全国の相互利用可能エリアにて活用することができます。
また、機能面を見てみても乗車券機能+加盟店での支払い機能と、nimocaと変わりありません。支払い方式も同じく事前チャージして利用するプリペイド式となっています。
福岡市交通局発行!地下鉄で使えるはやかけん
はやかけんは福岡市地下鉄を運営する福岡市交通局が発行している電子マネーです。福岡市地下鉄をメインのエリアとして利用することができます。

また、はやかけんも上の2つと同様、全国相互利用可能な電子マネーとなっており、本州や北海道の主要都市などで電車・バスの乗車に使うことが可能です。
機能も同じく乗車券機能に加えてはやかけん加盟店での電子マネー機能の2つを備えており、プリペイド式で都度チャージして利用します。
福岡で使える3つの電子マネーは基本機能では共通点多数
こうして3つの電子マネーの基本概要を見比べてみると、複数の共通点があることがわかりますね。
- 乗車券機能+加盟店での電子マネー機能の2つの機能を備える
- 全国相互利用サービスに対応
- 支払い方式はプリペイド式
すなわち、どの電子マネーも単に福岡市周辺での電車やバスの乗車、お買物等に使うだけならほとんど同じように利用することができるのです。さらに全国の相互利用可能エリアへの対応状況にも差はありません。
対象や還元率の違いに注意!3つの電子マネーのポイントサービス
nimoca、SUGOCA、はやかけんの3つの電子マネーには、それぞれ利用に応じてポイントが貯まる独自のポイントサービスが備わっています。貯まったポイントは各電子マネーに1ポイント=1円相当としてチャージすることが可能です。
交通系電子マネーをお得に利用するという観点からみると、このポイントサービスの仕様は非常に重要ですよね。3つの電子マネーについて、どんな利用でどのようにポイントが付与されるのか、一覧で確認してみましょう。
| 電子マネー (ポイント) |
電車・バス利用 | 対象路線 | 加盟店利用 |
|---|---|---|---|
| nimoca (nimocaポイント) |
2~5%(路線により異なる)+ボーナスポイント ※西鉄電車利用時は利用回数に応じて1~3% |
・西鉄バス ・大分交通 ・大分バス ・亀の井バス ・日田バス ・JR九州バス ・佐賀市交通局 ・函館バス ・昭和バス ・熊本市電 ・函館市電 ・西鉄 ・筑豊電鉄 |
0~1% (加盟店により異なる) |
| SUGOCA (JRキューポ) |
1% ※SUGOCAでの特急券購入時5% ※JR筑肥線・唐津線駅⇔福岡市地下鉄利用時一律10ポイント |
・JR九州 ・北九州モノレール |
加盟店により異なる |
| はやかけん (はやかけんポイント) |
2%+ボーナスポイント ※1駅区間利用時一律100ポイント ※福岡市地下鉄姪浜駅経由でJR九州利用時一律10ポイント |
・福岡市地下鉄 | - |
なお、3つのポイントサービスのうちJRキューポのみJR九州の共通ポイントとなっており、SUGOCA以外にもJR九州の様々なサービスを利用してポイントを貯めることができます。また、使い道もSUGOCAチャージ以外に商品券への交換など複数の用途が用意されています。
全国相互利用可能な電子マネーでも…ポイントサービスは完全独立
こうして一覧にしてみると、電子マネーによってポイントサービスの対象となる路線は全く異なることがわかりますよね。
いずれも全国相互利用が可能な電子マネーではあるものの、実はポイントが獲得できるのは各エリアの電車・バス路線のみとなっているのです。
また、nimoca、SUGOCAでは加盟店利用でもポイントが獲得できますが、店舗・施設によって還元率は多少異なり、中にはポイント対象とならない加盟店もあるので注意が必要です。しかもやはり、加盟店に関してもそれぞれの電子マネーに直接加盟している店舗・施設でしかポイントを獲得することができません。
例えばSUGOCAエリアとなるJR九州の路線をいくらnimocaで利用しても、あるいははやかけん加盟店でSUGOCAを使って支払いをしても、一切ポイントは付かないということです。
意外と差がつく!?3つの電子マネーのチャージ方法
ここでご紹介している3つの電子マネーはすべてプリペイド式となっており、利用する際には都度チャージが必要です。となると気になるのが、チャージ方法ですよね。
特に交通系電子マネーでは残高不足に陥ると電車やバスの乗り降りに支障が出てしまうので、状況に応じてスムーズにチャージができるかどうかというのは非常に重要になります。使い勝手の面で意外と差がつくポイントなのです。
そんな3つの電子マネーのチャージ方法についても、一覧で確認・比較してみましょう。
| 電子マネー | チャージ方法 |
|---|---|
| nimoca | ・駅の窓口、券売機にて現金チャージ ・電車/バス/市電の車載器・チャージ機にて現金チャージ ・商業施設設置のチャージ機にて現金チャージ ・ローソンレジにて現金チャージ ・クレジットnimocaによるオートチャージ ・クレジットnimocaによるクイックチャージ |
| SUGOCA | ・駅の券売機・チャージ機にて現金チャージ ・チャージ対応のSUGOCA加盟店レジにて現金チャージ ・セブン銀行ATMにて現金チャージ ・JQ CARDにてオートチャージ |
| はやかけん | ・駅の窓口・券売機にて現金チャージ |
チャージ方法の豊富さでは、nimocaが群を抜いています。SUGOCAもそうなのですが、駅や電車・バス内だけでなく、街中の商業施設やコンビニでもチャージができるというのは便利ですよね。
また、オートチャージやクイックチャージと言ったクレジットカードを利用したチャージ方法が選べるのも魅力です。
なお、この3つの電子マネーはすべて全国相互利用サービス対応の各エリアでも券売機や加盟店などでのチャージが可能です。もちろん、3つの電子マネーを互いのエリアでチャージすることもできます。
便利なだけじゃない!お得なオートチャージサービスに注目
交通系電子マネーには様々なチャージ方法が用意されていますが、その中でも特に注目してほしいのはやはりオートチャージのようなクレジット決済によるチャージです。
オートチャージが利用できると、電車やバスの利用時に残高不足で乗車できないということは起こり得ず、非常にスムーズに電子マネーを利用した移動が可能になります。
クレジットチャージでポイント2重取りができる
また、クレジットチャージの魅力はその利便性だけではありません。電子マネーをクレジットカードと連携してチャージに利用すると、入金額に応じてクレジットカード側にポイントが貯まります。
さらに電子マネーをポイント付与の対象となる電車・バスや加盟店で利用してもポイントを獲得できます。つまり、クレジットチャージでnimocaやSUGOCAと言った電子マネーを利用すると、ポイントの二重取りが可能になるのです。
このお得さもクレジットチャージの大きな魅力と言えるでしょう。
福岡ではどの電子マネーがいいの?タイプ別におすすめの電子マネー
3つの電子マネーの共通点や違いが一通り確認できたところで、それぞれどんな方におすすめかということをまとめていきましょう。
福岡在住の方が、どの電子マネーが一番利用価値が高いのか、タイプ別にそれぞれご紹介していきますね。
西鉄の電車やバスを利用する方におすすめ!nimoca
nimocaをおすすめしたいのは西鉄の電車やバスを含め、nimocaでの乗車でポイントが獲得できる電車・バスを普段から利用している方です。
また、nimocaは加盟店数も非常に多く、しかも全国チェーンよりは地元密着型のお店や施設が強い傾向にあるため、地元でのお買物に積極的に電子マネーを利用したいという方にもおすすめです。
JR九州の利用頻度が高い方におすすめ!SUGOCA
SUGOCAがおすすめなのは、JR九州の利用頻度が高い方、特に新幹線を使う機会が多い方です。
SUGOCA自体は新幹線の利用には使えないのですが、ポイントサービスであるJRキューポはJR九州の共通ポイントということもあって、新幹線のネット予約サービスなどでもポイントを貯めることができます。
出張や旅行などで新幹線を利用するチャンスが多い方なら、よりお得に活用できることは間違いないでしょう。
福岡市地下鉄ユーザーの方におすすめ!はやかけん
はやかけんをおすすめしたいのは、やはり福岡市地下鉄ユーザーの方です。はやかけんは機能・サービス面では比較的シンプルですが。地下鉄の利用で常時最低2%の高還元が受けられるのが一番の魅力です。
チャージ方法は駅構内に限定されるものの、地下鉄でだけ使うのであればそれほど不便を感じることはないでしょう。
交通系電子マネーは使う路線で選ぶのがおすすめ
こうして見ると最終的には、交通系電子マネーは自分がよく利用する路線に合わせて選ぶのがベストという結論になります。
ポイント面のお得さやオートチャージサービスなど、総合的なサービスの充実度ではnimocaに軍配が上がります。SUGOCAもサービス面では負けてはいません。
それに対して、はやかけんはかなりシンプルにまとめられています。実際、発行枚数で比較してみても、この数年間一貫してnimoca、SUGOCA、はやかけんという順位を保っています。
ただ、実際にいかに活用できるかという観点から電子マネーを評価するとなると、ポイントサービスやオートチャージと言ったそれぞれの電子マネー独自のサービスが基本的にそれぞれのエリア内でしか適用されないという点が、非常に重要な問題になってくるのです。
例えばnimocaは昭和バスで5%+ボーナスポイントという高還元を誇りますが、その路線を利用する機会がない方にとっては全く意味がありませんよね。
一方で、福岡市地下鉄でしかポイントが付かないはやかけんであっても、メインの移動手段が地下鉄になる方にとっては常に最低2%の還元率で非常に効率的にポイントが貯められる、他の何よりもお得な電子マネーとなります。
交通系電子マネーはライフスタイルに合わせて選ぶべし
交通系電子マネーは全国相互利用の連携により、さらに便利で汎用性の高いサービスとなりつつありますが、そんな中でもやはり注目してほしいのは個々の電子マネーに備わっている独自の機能やサービスです。
今回ご紹介したnimoca、SUGOCA、はやかけんという3つの電子マネーはすべて福岡市周辺で使えるものです。しかし、住んでいるエリアや通勤・通学経路などによって活用しやすい電子マネーは明確に変わってくるのです。
ぜひ利用する電車・バスやライフスタイルに合わせて、一番お得に、そして便利に使えるベストな電子マネーを選んでください。







