ETCカード
車載器のセットアップ方法とETCの基礎知識
投稿日時:2019.07.09
これからETCを使い始めようとしている方に、ETCの基礎知識をお届けします。ETCは誰にでも簡単に使える便利なシステムですが、準備がちょっと複雑で初めての人には取っ付きにくいようです。
「どこから手をつけていいのか分からない」という声もよく聞かれるので、今回は車載器のセットアップを中心にETCの基礎を解説します。
初心者向けに基礎から解説しますので、これからETCデビューする方はぜひご参考になさってください。
車載器のセットアップってなに?ETC基礎知識&手続き方法ご紹介
でもこれまで一度もETCを使ったことのない方は、「車載器のセットアップ」なんて言われてもピンとこないですよね。
そこでまずは、ETCの概要からご説明したいと思います。
ETCには車載器とETCカードが必要
ETCを使えば料金所をノンストップでできることはどなたもよくご存知でしょう。以下がそのETCシステムの概要です。

・Electronic Toll Collection Systemの略
・有料道路の料金所をノンストップ走行できる自動料金収受システム
・車載器とETCカードを使用する
一部にはまだETCが導入されていない有料道路もありますが、国内すべての高速道路ではETCが使えます。
ETCカードはクレジットカードで追加発行できる
ETCの利用に必要なものは、①車載器と②ETCカードです。どちらか一方だけでは用を足さず、必ずこの両方を揃える必要があります。①②は以下のように入手先が全く異なるため、それぞれ別々に調達します。
| ETCに必要なもの | 入手先 | 入手方法 |
|---|---|---|
| ①車載器 | 販売店 | 購入する |
| ②ETCカード | カード会社 | カード会社に申込む |
①車載器と②ETCカードの準備にはどちらにも少々時間がかかるため、両方同時に取り掛かるのが理想的です。
ETCカードはクレジットカードで追加発行する
もしも既にクレジットカードをお持ちなら、カード会社に申し込んでETCカードを追加発行してもらってください。1週間?2週間程度でETCカードが届きます。
ETCカードはカード会社によって費用がかかります。申し込む前には、カード発行手数料や年会費がかかるかどうかを必ず確認しましょう。
- カード発行手数料(発行時1,000円)
- 年会費(年500円)
- 年会費+免除条件(年1度の利用で無料になる)
- 完全無料
クレジットカードに新規入会する場合は審査に落ちる可能性もないとは言えないので、余裕をもって早めに申し込んでください。
車載器には3つのタイプがある
次は車載器です。車載器には以下のように3つのタイプがあります。

| 車載器のタイプ | 説明 | 入手先 |
|---|---|---|
| 2ピース | アンテナとカード挿入部が一体型 | 販売店 |
| 3ピース | アンテナ分離型 | 販売店 |
| ビルトイン | 車に嵌め込み式 | 自動車メーカー |
通常タイプの車載器は販売店で購入する
2ピースもしくは3ピースの通常の車載器は、カー用品店など販売店にて購入します。2ピースはアンテナ一体型で、3ピースは車載器本体からアンテナが分離したタイプです。
料金所をノンストップ走行できる点はどれも同じですが、カーナビの有無など機能の差によって価格が異なります。
車のデザインと一体化したビルトインタイプは車載器があらかじめ車体に搭載されており、車と一緒に自動車メーカーから購入します。
どの車載器にもセットアップが必要
しかしただ車載器がついているだけではETC走行はできません。ETCを使うためには、事前にセットアップが必要なのです。このセットアップはどの車載器でも必ず行うことになっています。
・車載器の使用前に行われるセキュリティ処理
・車載器に車両情報を書き込む
・情報を高度道路交通システムとやり取りする
セットアップは取り付け作業ではない
初心者の方はセットアップを車載器の取り付け作業と混同しがちですが、これは間違いです。
車載器のセットアップとは車両情報を書き込むことで、ETCの不正利用を防ぐために行われます。
なのであらかじめ車に搭載されたビルトインタイプの車載器にも、また中古車についてきた車載器にも、必ずセットアップは必要なのです。
セットアップでは個人を特定する情報は書き込まれない
ではセットアップにおいては、具体的にどんなことが行われているのでしょうか?セットアップ登録店では、車載器にナンバープレートなど車両情報を暗号化して書き込んで、その情報をITS-TEA(高度道路交通システム)とやり取りします。
よく車載器から個人情報が漏れるのではないかと気にする方がいますが、セットアップには個人を特定するような情報は一切使われません。
セットアップで書き込まれるのはあくまでも車両情報だけなので、車載器から個人情報が漏れるといった心配は無用ですよ。
セットアップは登録店でしか受け付けていない
車載器のセットアップは登録業者が行います。
素人はもちろんのこと、以下のETC登録証のない業者は車載器のセットアップをすることができません。

車載器を購入した店舗でのセットアップも可能
大抵の自動車ディーラーやカー用品店はセットアップ登録店なので、車載器の購入・取り付けとセットアップを同時に済ますことができます。
セット料金で割安になるケースもあるので、複数の店舗の料金を比較検討するとよいでしょう。
これから車載器を購入する方は、セットアップを前提にお店を選んでくださいね。
車載器のセットアップ方法をご紹介!利用先はどこ?料金はいくら?
次に車載器のセットアップをどこでどのようにすればいいのかを見ていきましょう。
多くの場合は車載器を購入した店でセットアップも済ませるのが一般的ですが、中古の車載器などは登録店に持ち込んでセットアップしてもらいます。
セットアップ登録店にもいろんな種類がある
ETC総合情報ポータルサイトでは、条件を入れて全国のセットアップ登録店を検索できるようになっています。以下の様に車両や車載器の種類によって利用できる登録店が異なるため、自分の条件に合う店舗を選んでください。
- 四輪車用
- 四輪車用およびETC2.0
- 二輪車用
- 二輪車用およびETC2.0
- オンラインセットアップ
次にこの中の「オンラインセットアップ」についてご説明しましょう。
オンラインセットアップなら当日中に完了
セットアップの際には、登録店とITS-TEA(高度道路交通システム)との間で情報をやり取りしますが、これをオンラインで行うのがオンラインセットアップです。
一方オンラインセットアップに未対応の登録店(オフラインセットアップ対応)は、情報のやり取りをFAXや郵送に頼るしかありません。
その結果、以下のように両者のセットアップ所要時間にはかなりの差が出ることになります。
| セットアップ方法 | 対象 | 所要時間 |
|---|---|---|
| オンラインセットアップ | ETC2.0、ETC | 30分程度 |
| オフラインセットアップ | ETCのみ | 1週間程度 |
オフラインセットアップだと作業完了までに1週間程度を要しますから、お急ぎの方は必ずオンラインセットアップ対応店を選んでください。
登録店でセットアップ申込書を記入する
さて登録店が決まったら、早速セットアップを申し込みましょう。手順は以下の通りです。
②セットアップ申込書に必要事項を記入
③登録店が確認した後で署名
まず店舗に置かれた「セットアップ申込書」に、あなたの連絡先などを記入してください。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
その他の車両に関する必要事項は店舗スタッフが記入してくれますから、ほとんど手間がかかりません。
車検証と運転免許証などが必要
セットアップに必要なものとして、登録店には必ず以下のものをご持参ください。
- 車載器
- 車検証
- 運転免許証
- 料金(3,000円?3,500円)
既に車載器を取り付け済みの場合、またビルトインタイプ車載器の場合は、車で来店することになります。
料金はセットアップのみで3,000円~3,500円、取り付け作業込みだと8,000円~8,500円が相場です。
セットアップ済みの車載器も販売されている
また近頃は、インターネット通販でセットアップが済んだ状態の車載器を購入することも可能です。この方法だと車載器の購入とセットアップが一度に済むので、お忙しい方にもピッタリですね。
取り付けは自分でやる必要がありますが、価格も車載器+セットアップで6,000円前後からと大変リーズナブルです。
注文から数日後にはセットアップ済み車載器が到着
セットアップ済みの車載器を購入する場合は、以下のような手順となります。
②セットアップ申込書がメールで届く
③申込書と必要書類をメールなどで返信する
④セットアップ完了後、車載器が発送される
一般的な通販と異なる点は、注文後にセットアップに必要な情報をこちらから販売店に送信することです。
他は普通のネット通販と変わりません。申込書と必要書類のコピーを返送後、早ければ1週間程度でセットアップ済みの車載器が自宅に届くでしょう。
車載器セットアップはやり直す必要がある?再セットアップとは
車載器のセットアップは、普通は一度済ませればその後もずっと使い続けることができますが、時には再度セットアップが必要になる場合もあります。
次に「再セットアップ」についてご説明しましょう。
【再セットアップ】①車を買い換えたとき
再セットアップが必要となるのは、第一に車を買い換えた時です。車載器には車両情報が書き込まれていますから、車が変われば当然再度セットアップが必要となります。
もしも新たに購入した車にビルトインタイプの車載器が搭載されていれば、旧い方を処分して新しい車載器をセットアップしてください。
【再セットアップ】②ナンバープレートが変わったとき
車載器には車のナンバーがインプットされていますから、以下のようにナンバープレートが変わったときにも再セットアップを行います。
- 他の都道府県に引っ越した
- 自分の好きなナンバー(希望ナンバープレート)に変更した
- ご当地ナンバープレートに変更した
引っ越した際には、ナンバープレートの変更と車載器の再セットアップを忘れないでくださいね。
ETCカード変更時には再セットアップは不要
ETCシステムでは車載器とETCカードをセットで使いますから、ETCカードが変わった時のことも考えておきましょう。クレジットカードを解約すると、紐付くETCカードも一緒に使えなくなってしまいます。
その場合は新しいクレジットカードに入会して新たにETCカードを発行しますが、この場合は車載器の再セットアップは必要なのでしょうか?
答えはNOです。
車載器に書き込まれるのは車両情報だけで、ETCカードとは無関係です。従ってこの場合は車載器をセットアップし直す必要はありません。
再セットアップしないと規約違反になる
車載器の再セットアップにも料金(3,000円程度)がかかりますから、なるべく節約したくなるのは人情ですよね。しかし必要な再セットアップをサボることは、ETCシステム利用規程違反にあたります。
ナンバープレートが変更になった場合、車載器を他の自動車に付け換えた場合、けん引できる構造に改造した場合には再度セットアップをしなければならない。
再セットアップしていないことがバレると、以下のようなペナルティが課せられる可能性があるのです。
- 罰金
- ETC利用の停止
車載器の取り付けは終わっているので、再セットアップの費用はたかだか3,000円前後。この程度の出費を惜しんだがために、毎回堂々と料金所のゲートを通れないのは割に合わない話でしょう。
再セットアップも、必要に応じて必ず済ませるようにしましょう。
再セットアップもオンライン対応が可能
なお再セットアップについても、インターネットで済ますことが可能です。その場合は以下の3点をショップまで送る必要があり、車載器の取り外しや再度取り付けはこちらでやらねばなりません。
- 車載器
- 電源コード
- 必要書類
送料についても検討は必要ですが、登録店まで行く暇のない方はぜひこの方法もご検討ください。
二輪車の車載器セットアップには実車を持ち込む
最後に二輪車(バイク)の車載器のセットアップについても簡単に解説しておきましょう。二輪車向けのセットアップ済みの車載器は、ネット通販では取り扱っていません。
なぜなら二輪車の車載器は、セットアップだけでなく取り付けも登録店しかできないことになっているからです。
以下が二輪車用車載器セットアップの登録店の店章です。

ETC総合情報ポータルサイトでは二輪車の車載器セットアップ店も検索できますので、最寄りの店舗を選んでください。
車載器のセットアップが済まなければETC走行できません
車載器は購入しただけではただの箱。セットアップを済ませてようやくETCサービスを利用できる状態になります。
車載器の取り付けは素人でも可能ですが、セットアップは登録店でしかできません。自動車ディーラーやカー用品店でも扱っているので、車載器購入と同時にセットアップも済ませましょう。
忙しい方には、インターネットでセットアップ済みの車載器を購入するのもおすすめですよ。これなら自宅ですべての手続きが済んでしまいます。料金も比較検討してあなたに合う方法を選びましょう。







