交通系電子マネー
JR東海の交通系電子マネートイカ(TOICA)を解説
投稿日時:2018.12.19
特定の路線やエリアで電車などの乗車に使える交通系電子マネーは、いまや私たちの生活にはなくてはならないものです。
タッチ&ゴーで電車の利用がスムーズになるだけでなく、お店での買い物などにも使えるなど、複数の機能を備えているものも少なくありません。
そんな交通系電子マネーの中でも、今回はJR東海発行の東海エリアで便利に使える電子マネートイカ(TOICA)について解説していきたいと思います。
JR東海発行!交通系電子マネートイカ(TOICA)の概要

TOICAはJR東海発行の、いわゆる交通系電子マネーの1種です。『Tokai IC Card(東海ICカード)』の頭文字をとってその名がつけられています。
他の多くの交通系電子マネーと同様にチャージして支払いに利用するプリペイド式で、最大20,000円までの入金が可能です。
東海から全国まで…TOICAの利用可能エリア
TOICAの純粋な利用エリアであるTOICAエリアは、JR東海の路線全域となっています。

さらにTOICAは全国相互利用対応の電子マネーの1つとなっており、全国各地の交通系電子マネー相互利用対応エリアでもTOICAエリアとほとんど同じように利用することができるのです。

相互利用可能エリアは北は北海道から南は九州まで日本全域に広がっており、旅行の際にもたいていの電車やバスの乗車はTOICA1枚で済ませられてしまうでしょう。
ただし、相互利用可能エリア同士であってもエリアまたぎでの利用はできないほか、エリア外への乗り越しも不可となっているので、その点は注意が必要です。
例えば、同じJR路線上でもTOICAエリアから首都圏のSuicaエリアや関西のICOCAエリアへとそのまま乗り越していくことはできません。
また、エリアによっては加盟店での支払いやチャージなど一部の機能が利用できないことがあるので、TOICAエリア以外でTOICAを利用する際には対応状況を確認するようにしてください。
TOICAの種類は『TOICA』と『TOICA定期券』の2タイプ
TOICAには、通常の『TOICA』と定期券機能を付加した『TOICA定期券』の2タイプがあります。

『TOICA定期券』の方も、チャージをして定期券区間からの乗り越しや区間外での乗車の際に利用することもできます。
それぞれ大人用と小児用が用意されており、小児用の『TOICA』『TOICA定期券』を購入する際には利用者本人の氏名・生年月日などを確認できる公的証明書が必要です。
いずれのTOICAもTOICAエリアのきっぷうりばで購入することができます。購入の際には、500円のデポジット(預り金)がかかります。
なお、『TOICA定期券』にはJR東海路線単体のほか、一部の他社路線との連絡定期券も搭載可能となっています。付加できるのは以下の路線の連絡定期券です。
- 名古屋市交通局地下鉄
- 名古屋鉄道
- 豊橋鉄道渥美線
- 名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)
これ以外の路線、例えば名古屋市バスや名鉄バス、豊橋鉄道市内線などとの連絡定期券はTOICAに搭載することはできないので注意してください。
また、TOICA購入時に有効期間内の磁気定期券の手持ちがある場合は、そのまま『TOICA定期券』へと移し替えを行うこともできます。移行手続きはTOICAエリア内の駅の窓口やTOICA表示のある自動券売機で行うことが可能です。
1枚でいろいろ使える!TOICAの機能・サービスを紹介
ここからはTOICAの機能・サービスを紹介していきましょう。TOICAは交通系電子マネーに必須の電車の乗車券機能以外にも、加盟店での支払いに使える電子マネー機能も備えています。また、JRならではの特色として、新幹線の乗車にも利用することが可能となっているのです。
それぞれの機能・サービスの詳細や、気になるチャージ方法について解説していきたいと思います。
交通系電子マネーの強み!タッチ&ゴーでスムーズに電車利用可能

交通系電子マネーの最大の特徴であり強みと言えるのが、電車の乗車券機能です。TOICAももちろん、TOICAエリアや全国の相互利用可能エリアでの電車の乗車に利用することができます。
タッチ&ゴーでスムーズに乗車が叶うので、非常に便利ですよね。自動改札にそのままタッチするだけでなく、自動券売機でのきっぷの購入や自動精算機での清算にも利用可能です。
なお、豊橋駅や弥富駅でJRと名鉄との乗り換えをする場合や、三重県の桑名駅で近鉄との乗り換えをする場合には、専用のICのりかえ改札機での処理が必須になるので、忘れないようにしてください。
また、無人駅での降車やワンマン列車利用の際には、あらかじめ乗務員・運転士にTOICAを提示したうえで、駅に設置されている簡易TOICA改札機にタッチする必要があります。
その際、残高不足などがあると正しく出場処理ができなくなってしまうので、チャージ残高には注意が必要です。
エクスプレス予約、きっぷとの組み合わせで新幹線利用も可能
TOICAは、同じくJR東海が提供するエクスプレス予約サービスと組み合わせることで、新幹線の乗車にも利用することが可能になっています。
エクスプレス予約サービスであらかじめ新幹線の予約さえとっておけば、あとはEX専用ICカードとTOICAを重ねて改札にタッチするだけで新幹線に乗ることができるのです。
あるいは、TOICAをエクスプレス予約サービスに連携するスマートEXサービスを利用すると、TOICAそのものが新幹線チケットの役割を持ち、1枚で新幹線の乗車が可能になるのです。
また、新幹線停車駅が2駅以上含まれる『TOICA定期券』を利用している方であれば、定期券区間内の普通車自由席に限りではありますが、新幹線の改札にタッチするだけでそのまま乗車することができます。
事前の予約や特急券の購入が必要なく、非常にスムーズに新幹線の利用が可能になっているのです。
ただしその際の特急料金は『TOICA定期券』のチャージ残高から支払うことになるので、残高不足には注意が必要です。
お買物にも使える!TOICAの主要な加盟店を紹介

電車の利用だけでなく、加盟店でのお買い物の際に支払いにも使えるのは、TOICAのような交通系電子マネーの便利なところですよね。
TOICAの加盟店には目印のステッカーが掲示されており、一目でわかるようになっています。主要な加盟店をジャンルごとに抜粋してご紹介しましょう。

| ジャンル | 店名 |
|---|---|
| JR東海グループ | ・キオスク ・JRタカシマヤ/タカシマヤゲートタワーモール ・リニア・鉄道館 など |
| コンビニ | ・セブンイレブン ・ファミリーマート ・ローソン ・デイリーヤマザキ など |
| 飲食店 | ・ガスト ・マクドナルド ・世界の山ちゃん ・コメダ珈琲店 など |
| スーパー・ショッピングセンター | ・イトーヨーカドー ・アピタ/ピアゴ ・ユニモール ・スギ薬局 ・ジョーシン など |
| その他サービス | ・トヨタレンタカー ・タイムズ ・ヤマト運輸 ・ルートインホテルズ ・エッソ/モービル/ゼネラル ・富士サファリパーク など |
コンビニや飲食店をはじめ、幅広いジャンルのお店を取り揃えており、様々なシーンで活用できるでしょう。場合によっては、TOICA1枚でお出かけの際のすべての支払いを済ませることも可能です。
TOICAに対応している自動販売機などでも、かざすだけで飲み物も買えますからね。

また、相互利用対応の電子マネー、例えばmanaca(マナカ)やSuica(スイカ)、ICOCA(イコカ)などの加盟店でも、もちろんTOICAを利用して支払いをすることができます。普段の生活だけでなく、旅行や出張の際にもしっかりと使えるので便利ですよね。
TOICAのチャージは現金のみ!駅やコンビニでチャージ可能
TOICAのチャージ方法についても確認しておきましょう。TOICAのチャージは現状、現金のみの取り扱いとなっています。
TOICAマークのある自動券売機・自動精算機・入金機のほか、相互利用対応エリアを含む利用可能エリアの駅のきっぷうりばでもチャージが可能です。

また、加盟店の中でも一部のコンビニではレジでのTOICAチャージに対応しています。JR東海の駅を中心に多くの場所でチャージが可能となっているので、必要に応じてスムーズに入金することができるでしょう。
ただし、Suicaやmanacaなど多くの交通系電子マネーで取り入れられているオートチャージサービスを含むクレジット決済でのチャージには一切対応していないということで、人によっては不便さを感じることがあるかもしれません。
TOICAはシンプルながら使い勝手よし!カード1枚で買い物も乗車もできる
とはいえ、電車や加盟店での支払いに利用できるという交通系電子マネーとして必要最低限の機能はしっかりと備えていますし、新幹線の乗車に使えるというJRならではのメリットもあります。
JR東海を普段の足として利用している方、特に新幹線を利用する機会が多くエクスプレス予約サービスを活用している方にとっては、十分に使い勝手の良いサービスとなるでしょう。







