法人クレジットカード
法人クレジットカードの年会費は経費になる!勘定科目と注意点
投稿日時:2019.09.05
法人クレジットカードの年会費は経費で落とせるってご存知でしたか?
経営者や個人事業主であれば個人用と仕事用と分けてクレジットカードをお持ちだと思いますが、仕事用で使っているクレジットカードなら経費で処理することができるのです。
ただし、いくつか注意点もありますので、法人クレジットカードを経費に入れる際の方法について、わかりやすくまとめました。
経理上の勘定科目についても説明しますので、まだ経費にしていなかった方は、もったいないので経費にしましょう。
法人クレジットカードの年会費は経費になる
法人クレジットカードの年会費は経費として計上することができます。プライベートのクレジットカードとは違い、仕事で使うものを買ったり、出張旅費を払ったり、ビジネスのために使っているカードですよね。
そのほかにも、
- 接待費用
- オフィスの備品購入
- 交通費
- ビジネス用の書籍代
- セミナー費用
など、すべて仕事で使っていると思います。法人クレジットカードで使っているのは仕事で必要なお金です。ですから、そのクレジットカードの年会費も経費となるのです。
会費が高いほど節税効果
法人クレジットカードにはいくつものランクがありますが、ランクと年会費も高いほど節税効果も高くなります。
ステータス性の高いゴールド・プラチナクラスの法人クレジットカードになりますと年会費は安くても数万円、高いものになると5万円を超えるものもあります。
それが経費に入れられるとすれば、その分節税ができますよね。例えば以下をご覧ください。
- 利益額2万円→法人税額6千円
- 利益額5万円→法人税額1万5千円
単純に法人税率が30%だとして計算した場合ですが、もし年会費が2万円ならば法人税額1万5千円が9千円になる計算です。6千円はゼロになります。
このように、年会費が高いほど節税効果も高くなるということです。
追加カードも経費になる
社員用に追加カードを発行している方もいらっしゃると思いますが、仕事のために使うクレジットカードですから、その分も当然経費として計上できます。ETCカードも同様です。
プライベート用のカードは経費にならない
仕事用とは違うプライベート用の個人カードの年会費は経費にできませんので、注意してください。
個人の買い物と仕事の買い物は明確に分ける必要があり、プライベートで使っているカードの年会費を経費にしてしまうと税務署から指摘を受ける可能性があります。
例え法人クレジットカードという名称のものだったとしても、私的な買い物が多い場合は経費として認められないでしょう。
うっかり法人クレジットカードで自分の買い物をしてしまった、というくらいであれば問題ありませんが、半分以上が私的な利用となっている場合には、経費として計上するのは難しいです。
法人クレジットカードの年会費はどう処理する?勘定科目や注意点
それでは、実際に経費として計上する場合の勘定科目について説明します。基本的には
- 諸会費
- 支払手数料
がわかりやすいでしょう。法人クレジットカードの年会費の科目はこれでなくてはいけない、という決まりはありませんので、自分がわかりやすいもので大丈夫です。
諸会費を使う場合
年会費なので「諸会費」にするのはとてもわかりやすいと思います。そのクレジットカード会社の会員になっているので、会費ですね。
ただし、ここで1つ注意があります。会計ソフトを使っていますと、諸会費は「不課税仕入れ」となっている場合が多いです。
税金については後述しますが、クレジットカードの年会費には消費税が含まれていますから、その分を忘れずに計上することが大切です。
支払手数料を使う場合
もう1つ多いパターンが支払手数料として計上することです。会員である費用というよりは、立替払いをしてもらった時の手数料という捉え方です。
クレジットカード会社があなたの代わりに売主にお金を払ってくれていますから、その振込手数料だと思えば勘定は「支払手数料」でも良いでしょう。
雑費として計上する場合
年に1回しか払っていないものなので「雑費」にしておこう、と思う人もいるかもしれませんが、雑費でも大丈夫です。
ただし注意してほしい点が1つあります。年会費が数千円であれば特に問題ないかと思いますが、高額な年会費のカードですと、用途がよくわからない雑費で計上した時に税務署から調査が入る可能性がなきにしもあらずです。
本当は経費に入らないものを雑費として計上しているのでは?と疑われかねないので、無駄な調査を防ぐためにも、あまり高額な年会費は支払手数料や諸会費として計上する方が良いでしょう。
その他の経費として計上する場合
勘定科目に明確な決まりはありませんので、
- 通信費(経理関係の業務簡略化のためにカードを使っているから)
- 新聞図書費(書籍しか買っていない)
- 消耗品費(オフィスの備品しか買っていない)
など、その他の科目でも大丈夫です。また、これまで使ってきた科目の中に適当なものがないと思えば、新たに作っても大丈夫です。
勘定科目は一度使ったら同じものを使い続ける
勘定科目はなんでも良いのですが、絶対に守っておきたいルールがあります。それは、一度使った勘定科目は、翌年以降も同じものを使い続けるということです。
コロコロ変えているとなぜこのような会計処理をしているのかと税務署から指摘される可能性があります。
また、法人クレジットカードを複数持っている場合に、1枚は支払手数料なのにもう1枚が諸会費というように、カードごとに勘定を分けてしまうことはおすすめできません。
帳簿の管理が煩雑になりますし、これも同様に税務署から指摘を受ける可能性があるからです。
消費税分は仕入税額控除の対象
法人クレジットカードの年会費には消費税が含まれていますので、課税取引となります。
帳簿上は仕入税額控除の対象となりますので、無駄な消費税を納めないようにきちんと処理してください。
会計ソフト上、勘定科目によっては初期設定が非課税になっている場合がありますので、注意してください。
ビジネスカードとプライベートカードは分けておく
割合的に仕事用の買い物が多ければ、1枚のクレジットカードで年会費を経費として処理するのは問題ないのですが、その年によってはプライベートな買い物の割合が増えることもあり得ます。
あとあと税務署から指摘を受けないためにも、仕事用とプライベート用は分けて作った方が会計処理がしやすくなりますし、誤解も受けにくいです。
年会費を経費で!ステータス性の高い法人クレジットカード3選
それでは年会費を経費に計上するために、ステータス性も高く、かつ、年会費も高めの法人クレジットカードを3つご紹介します。
一般カードですと2千円~3千円のものもありますので、できれば1万円以上のものを選びたいところです。初めて持つ法人カードなら、なおさら本当に使えるカードを選びましょう。
誰もが認めるステータス!アメックス・ビジネス・ゴールドカード
1枚目はアメックス・ビジネス・ゴールドカードです。アメックスといえば知らない人はいないですよね。
そのステータス性の高さは折り紙つき。ビジネスシーンで信頼を得るためにも1枚持っておきたいカードです。年会費は高めの31,000円。これが経費にできるのは嬉しいです。
年会費が高いだけのことはあり、旅行保険の補償額も高額です。コンシェルジュサービスが充実していますし、接待用のレストランやゴルフコースの予約にも迷わなくて済みますね。
海外旅行中でも24時間「オーバーシーズ・アシスト」が日本語でサポートしてくれるので、急病や事故の際も安心です。
また、ステータスの高いカードを持っていると社会的にも信用を得やすい為、起業家の方はステータスを無視してはいけません。
アメックスは外資系のクレジットカードですので、起業1年未満の方でも審査に通りやすい傾向があり、ステータスが高いわりに所有しやすい点もこのカード最大の魅力と言えるでしょう。
| 年会費 | 31,000円(税別) |
|---|---|
| スペック |
・柔軟な利用限度額の設定 ・クラウド会計ソフト「freee」との連携 ・カード利用で最高1億円の海外旅行傷害保険付帯(カード支払いでない場合は5,000万円) ・カード利用で最高5,000万円の国内旅行傷害保険付帯 ・最高500万円までのショッピング保険付帯 ・最高4万円までの航空機遅延補償 ・手荷物無料配送、エアポート送迎サービス ・帝国ホテル東京で専用ラウンジ利用 ・京都高台寺で特別ラウンジ利用 ・福利厚生プログラム「クラブオフ」登録料無料 ・ヘルスケア無料電話相談 ・コンシェルジュによるレストラン、ゴルフコース予約 ・会員限定イベント |
コスパ最強!セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカードの年会費は20,000円です。ただし、年間200万円以上のショッピングを利用すると、翌年は10,000円に割引してもらえます。
プラチナカードならではのサービスが魅力で、特に接待が多い人にはおすすめのカードです。予約が取りづらい名門ゴルフコースの予約から、レッスン会、プロゴルファーを招いたイベントなどに参加することができます。ゴルフ好きな方にはとても嬉しいサービスですね。
何よりコンシェルジュサービスが充実していますので、レストランの予約から出張先のホテルの手配、取りにくい芝居のチケット予約など、困った時はなんでも相談できるのがこのカードの素晴らしいところです。
世界中の空港ラウンジを無料で利用できるプライオリティ・パスもついていますから、海外出張が多い人にも役に立つカードです。
そんなすごいカードだと審査に通らないのでは?と不安になるかもしれませんが、個人事業主やビジネスを始めたばかりの方でも審査に通りやすいといわれていますから安心してください。
| 年会費 | 20,000円(税別)→年間200万円以上利用で10,000円 |
|---|---|
| スペック |
・最初から高めの限度額設定 ・海外旅行中のショッピング利用可能枠を一時増額 ・プライオリティ・パス無料登録 ・国内主要空港ラウンジ無料 ・最高1億円の海外旅行傷害保険自動付帯 ・最高5,000万円の国内旅行傷害保険自動付帯 ・年間300万円までのショッピング保険 ・オンラインショッピングの不正使用の損害補償 ・スポーツクラブの優待 ・法人向け顧問弁護士サービス優待 |
手軽に申し込める!三井住友ビジネスカードfor Ownersゴールド
三井住友ビジネスカードfor Ownersゴールドカードは、年会費10,000円。初年度は無料です。翌年以降は条件を満たすと無料または割引になります。
法人名義ではなく、企業の代表者または個人事業主が申し込むカードなので、申し込む際の登記簿謄本や決算書が不要です。申請が簡単にできるのもビジネス初心者にはありがたいところですね。
インターネット通販だけでなく、身近なお店での買い物もポイントが2?3倍になりますので、日常使いに便利なカードです。ポイントは1000円につき1ポイントですが税込額に対してたまるというのが他とは違います。
アスクルやアート引越センターを便利に使えるビジネスサポートサービスがついているのも特徴の一つです。
旅行に関する保険は一部利用付帯となりますが、宿泊代などをカードで支払えば問題ありませんね。そして法人クレジットカードには珍しいキャッシング機能がついています。いざという時の心強い味方です。
スペックでいうと、正直前記2つのカードほどではないのですが、作りやすさやキャッシング機能などを考えますと、ビジネスを始めたばかりの方にはおすすめのカードです。
| 年会費 | 10,000円(税別)ネット入会で初年度無料 |
|---|---|
| スペック |
・カード利用で最高5,000万円の海外旅行保険 ・カード利用で最高5,000万円の国内旅行保険 ・最高300万円のショッピング保険付帯 ・海外レンタカー優待 ・全国主要空港のラウンジ利用無料 ・福利厚生代行サービス ・ビジネスサポート ・キャッシング機能あり |
法人カードの年会費は経費にして賢く節税しよう
法人クレジットカードの年会費は経費に計上できますので、もし今まで入れてなかった!という方は、ぜひ経理の見直しをしてみてください。
年会費が高いほど節税効果も高いので、スペックの高い法人クレジットカードを作った方がお得です。
ただし、プライベートのカードと仕事用のカードを混同しないことが大切なので、法人クレジットカードはあくまでも事業用の利用のみにしておきましょう。











