クレジットカード基礎知識
クレジットカード番号はどうやって決まるの?識別方法の秘密に迫る
投稿日時:2017.09.21
クレジットカード番号がとても大切なものだということは、きっとどなたもご存知ですよね。その証拠に、カード番号を入力し間違えるとネットショッピングできませんし、カード犯罪においても必ずクレジットカード番号がターゲットになります。
つまりカードに刻印された番号こそ、クレジットカードの識別に欠かせないものなんですね。しかしクレジットカード番号は単なるシリアルナンバーではありません。ハイフンで区切られた14桁~16桁の数列には、それぞれ深い意味が隠されています。
今回はクレジットカード番号の秘密を調べました。クレジットカードの利用に欠かせない貴重な情報をお届けします。
クレジットカード番号の謎に迫る!数字に込められた意味とは?
あなたが今手にしているカードのクレジットカード番号は、世界にたった一つしかないあなただけのもの。だからこそ世界中どこへ行っても通用するんですね。その代わりにカードの識別には、10桁以上もの数字が必要となります。
でもあのハイフンで区切られた部分ごとに、それぞれ隠された意味が割り当てられているのをご存知でしたか?
カード番号を見ればカード会社やブランドが分かる
あなたはオンラインのカード決済の際に、カード番号だけで手続きできることを不思議に思ったことはないですか?
三井住友VISA、楽天、アメックスといった企業名を申告しなくても、クレジットカード番号の数列を入力するだけで毎回正常にカード認証できますよね。その秘密はカード番号の中に隠されています。
実はクレジットカード番号の先頭から6桁目までを見れば、どのカード会社発行のどのカードなのかが判るようになっているのです。
【1桁目】先頭の数字で発行会社の区分が分かる

クレジットカード番号先頭の1桁目は「主要産業識別子」です。主要産業識別子について調べてみると、以下のようなものだと説明されています。
| 主要産業識別子 | 産業 |
|---|---|
| 0 | ISO予約値 |
| 1 | 航空 |
| 2 | 航空 / その他将来発生する産業 |
| 3 | 旅行・娯楽/銀行・金融 |
| 4 | 銀行・金融 |
| 5 | 銀行・金融 |
| 6 | 運送 / 銀行・金融 |
| 7 | 石油 / その他将来発生する産業 |
| 8 | ヘルスケア / 医療 / 通信 / その他将来発生する産業 |
| 9 | 国毎に割り当て可能 |
この分類ではピンとこないですが、クレジットカードの国際ブランドと対応させるともっと解りやすくなります。
先頭から2桁までの数字で国際ブランドが判る!
以下のブランド別分類をご覧ください。あなたが今お持ちのクレジットカード番号も、きっとこうなっているはずです。

- 【ブランド】: カード番号の先頭の数字
- 【JCB】: 3(35)
- 【American Express】: 3(34,37)
- 【Diners Club】:3(36)
- 【VISA】: 4
- 【MasterCard】: 5
カード番号の「3」は複数ブランドに割り当てられているため、先頭数字が3の場合は2番目の数字でブランドを識別します。
つまり先頭の数字が3の場合は2桁まで、それ以外の数字なら先頭1桁目の数字を見れば、そのカードの国際ブランドが分かるという訳です。
【1~6桁目】6桁目までの数字で発行会社を識別できる

そして主要産業識別子を含む6桁目までの数字が「発行者識別番号」です。これはカードを発行している会社を表しています。
といってもそう単純なものではありません。それぞれのカード会社にはクレジットカード番号の6桁目までが割り当てられており、発行されるカードの種類やステータスによっても数字の配列は変わるからです。
それに加えて、さっきご説明した通り国際ブランドによっても数字は違ってきます。以下は全部クレディセゾン発行のカードですが、ブランド毎に冒頭の数字が違うのが分かるでしょう。
37** ****** *****
【MUJIセゾンカードVISA】
4*** **** **** ****
【ラスカルセゾンカードJCB】
5** **** **** ****
だからオンライン決済時には、いちいちクレジットカードの名称やカード会社まで入力しなくても、先方は間違いなくカード会社・カードの種類・国際ブランドをマッチングできるんですね。
【7~15桁目】これがあなたの会員口座番号

そして発行者識別番号の次に続く次の7~15桁目までが「会員口座番号」です。これこそがあなた個人に割り当てられた数字で、IDに当たる部分だとも言えるでしょう。
しかしクレジットカード番号は全桁揃って初めて成立するものですから、もちろんこの会員口座番号だけ取り出しても意味はありません。クレジットカード番号は1桁目から全部揃わない限り、認証できないのです。
【最終の桁】確認用のチェックデジット

クレジットカード番号の最後の一桁にもちゃんと意味がありますよ。でもこの最終桁の意味は、他とはちょっと趣が異なります。これはチェックデジットといって、ここまでのクレジットカード番号が適正かどうかをチェックするための数字です。
その仕掛けは、カード番号の全ての桁を所定のルールで計算することによって成立します。その計算結果が一定の条件を満たせば、そのクレジットカード番号は適正なものだということが分かります。
つまりチェックデジットとは、この計算を成立させるための数字なんですね。もしも適正な結果が出なければ入力ミスが考えられますし、あるいは偽造番号かもしれません。いずれの場合もエラーが出て、手続きはここで一旦ストップします。
うっかりカード番号を間違えると認証されないのは、こういった仕掛けが施されているからなんですね。
計算結果が10の倍数にならなければ入力ミスかも
チェックデジットの計算式の例はあちこちで引用されていますので、ここでは簡単に手順だけをご紹介しましょう。
2. 2桁になったら10の位と1の位の数字を足して1桁にする
3. 出た数字を全て足し算する
4. 偶数桁についても同様に計算を行う
5. 3.と4.の計算結果を合計する
まるで数字ゲームのように楽しめますので、興味のある方はお手持ちのクレジットカード番号でぜひ試してみてください。
この計算を実行すれば、クレジットカード番号が有効である限り、結果は必ず10の倍数になります。実際の利用時には、計算結果を10で割って余りが出ると、エラーが出て認証されません。
カードブランドによって桁数が違う
さて、以上でクレジットカード番号の1番目の桁から最終桁までのご説明は終わりです。ここまでクレジットカード番号の最初の桁から順番に解説を進めてきましたが、一つだけまだご説明していないことがあります。
実はクレジットカードのブランドによって、クレジットカード番号の桁数は異なるのです。先ほど主要産業識別子のご説明のところで、3種類のセゾンカードのクレジットカード番号を例にあげましたね。
その中のウォルマートセゾンカードはアメックスブランドで、よく見ると桁数が他より少なく、ハイフンの位置も他とは違うことが分かります。
アメックスとダイナースはカード番号の桁数が少ない
下表にブランド毎のクレジットカード番号の違いをまとめましたのでご覧ください。
| ブランド | 桁数 | ハイフンの位置 |
|---|---|---|
| VISA JCB MasterCard |
16桁 | 4-4-4-4 |
| American Express | 15桁 | 4-6-5 |
| Diners Club | 14桁 | 4-6-4 |
クレジットカード番号と一言に言っても、このようにブランドによって桁数も異なるんですね。従って先ほどご紹介した会員口座番号の桁数も、以下の通りブランドによってズレることにご注意ください。
- 【JCB】【VISA】【MasterCard】:先頭から7~15桁目まで
- 【American Express】:先頭から7~14桁目まで
- 【Diners Club】:先頭から7~13桁目まで
16桁のクレジットカード番号のカードが圧倒的に数が多いので、アメックスやダイナースのカードで決済する際には、ショップの入力欄によっては桁数が合わないことも。
空欄があるとエラーが出て手続できませんから、その場合は冒頭に0を入力して調整してください。
アメックス 0**** ****** *****
ダイナース 00**** ****** ****
クレジットカード番号は更新しても変わらない!一生のお付き合い
クレジットカード番号は、IDと同じで基本的にずっと変わらないものです。クレジットカードは利用年齢上限が設定されていないため、一度カードを作ればそのカード番号とは一生を通じてのお付き合いということになります。
クレジットカード番号は更新後も変わらない
クレジットカードには有効期限があり、5年もしくは6年経てば、自動的に更新が行われます。新しく届いたカードのクレジットカード番号は以前と全く同じものです。
更新時には再審査が行われますが、特に手続きは必要ありません。何もしなくても、更新の前には新しいクレジットカードが手に入りますよ。
- 通常5年毎に新カードが届く
- クレジットカード番号は変わらない
- 再度審査が行われるが手続きは不要
時にはカードが届かないといったこともありますが、多くは受け取りミスなどによるものです。ほとんどの場合、更新日に先立って同一番号の新クレジットカードが届くはずです。
古いカードは自分で処分する
さて無事更新が終わると、これまで使っていた古いカードはもう必要ありません。クレジットカード番号も同じで新しいカードと間違えないよう、しっかり処分するようにしてくださいね。古いカードは持ち主が責任を持って処理します。
処理方法は「ハサミで真っ二つにカット」というのが一般的ですよね。その場合、磁気テープを横切るようカットするのがポイントです。
一箇所だけでなく何箇所も切るべきだという意見も多く、同時にICチップ部分も細かく裁断するようアドバイスされています。
古いカードは番号部分にもハサミを入れて処分
クレジットカード番号部分にも、何度かハサミを入れることをお忘れなく。ただ真っ二つにするだけでは、その気になったらクレジットカード番号が簡単に読み取られてしまうからです。
念には念を入れるなら、ゴミに出す際にも幾つかに分割することをおすすめします。
クレジットカードの番号が変わるケースをご紹介
さてクレジットカード番号とはどういうものか、ここまででよくお分かりいただけたと思います。次にクレジットカード番号の変更についてご説明したいと思います。
といってもカード番号はそう簡単に変わるものではないということはよく分かりましたし、またコロコロ変わっては困りますよね。
でもどういう時にそうなるのか、そしてそれによってどんな影響があるのか、万一に備えてぜひ覚えておいてください。
再発行するとクレジットカード番号は変わる
クレジットカード番号が変わるのは、カードが再発行された時です。再発行の理由としては、以下のようなことが考えられます。
- カードを盗まれた
- カードを失くしてしまった
- 利用先でカード情報の流出があった
このようにセキュリティ上の問題から、これまでのクレジットカード番号が使えなくなると、新たな番号の再発行が必要となります。ただクレジットカード番号は変わっても、以下のカード情報はそのまま引き継がれますのでご心配なく。
- カード利用履歴
- ポイント残高
- カード利用限度額
ゴールドカードになってもクレジットカード番号は変わる
またトラブルがなくても、あなたの都合でクレジットカード番号が変わることもあります。それは以下のようにカードをバージョンアップしたり切り替えたりした場合です。
- ゴールドカードにバージョンアップした
- 電子マネー搭載型の別タイプに切り替えた
- 好みのカードデザインに切り替えた
このように様々な事情でクレジットカード番号が変わると、どのようなことが起こるのでしょうか?
クレジットカード番号が変わると変更届が必要になる
クレジットカードが新しくなるとメリットが増えていいことばかり。でも忘れてはいけないのは、これまでクレジット決済していた各種料金の変更手続きです。
- 電気料金
- ガス料金
- プロバイダ料金
- 携帯電話料金
- 保険会社への支払い
どんな理由であれ、クレジットカード番号が変われば必ずこういった手続きが必要となります。
カード番号変更手続きをしないと料金延滞になることも
再発行やバージョンアップでクレジットカード番号が変わったことに気づかないと、これまでカード決済していた料金が支払えず、滞納になることもあるので気をつけなくてはなりません。
クレジットカード番号の変更手続きは、ほとんどの場合、それぞれの利用先のサイトにて可能です。クレジットカードを切り替えたら、忘れないうちに手続きを済ませておきましょう。
なお手続きに郵送を使うと時間がかかるので、請求日までに間に合わないことも。その場合、後日支払い用紙が届くのを待って、コンビニなどで手払いすることになります。
クレジットカード番号は一生涯変わらない大切なものです
クレジットカード番号は、単なる通し番号ではなく、ハイフンで区切られたそれぞれの部分に意味があります。
クレジットカード番号によって国際ブランドやカード発行会社がわかるようになっており、また入力が間違っていないかというチェック機能まで兼ね備えています。
通常クレジットカードに入会すると、そのカード番号は生涯変わりません。ただし盗難などでカードが再発行になると、クレジットカード番号が変わります。そしてその場合、カード決済にしている各種料金の支払い先に対しても変更届が必要です。







