海外クレジットカード事情
ブラジルでのクレジットカード活用術!クレジットカードがあれば安全快適
投稿日時:2020.09.10
ブラジル旅行には様々な準備が必要ですが、最も重要なのはお金です。旅行を思いっきり楽しもうと思ったら、潤沢な資金が欠かせません。
しかし治安のよくないブラジルで多額の現金を持ち歩くのはとても危険。安全な旅行のためにはクレジットカードが必要なのです。
これからブラジルのカード事情と、旅先でのクレジットカードの上手な使い方を伝授します。ぜひあなたも安全・快適・リーズナブルなブラジル旅行を実現してください。
ブラジルは有数のクレジットカード大国!現金は危険ってホント?
ブラジルは世界有数のカード大国です。しかも早くからキャッシュレス化が始まったため、現在はカードが生活の隅々にまで浸透しています。
普段は現金主義だという方も、ブラジル旅行にはぜひクレジットカードをご持参ください。これからブラジルにおけるクレジットカードの重要性についてご説明します。
ブラジルでは現金を使う機会が少ない
海外旅行には様々な決済方法が考えられますが、ブラジルではクレジットカードさえあれば殆どの用を足すことが可能です。
何故ならブラジルは古くからのカード大国で、露店など小さなお店でもクレジットカードで決済できるからです。もちろんホテルやショッピングモールも例外ではありません。
地下鉄の切符もカードで買えますし、サンパウロ市内を走るどのタクシーにも、カード端末の搭載が義務付けられています。きっとブラジルに滞在中は、あなたが予想する以上に現金の出番が少ないでしょう。
ブラジルもVISAとMasterが主流
ではブラジルではどのブランドのカードが使いやすいのでしょうか?ブラジルでもやはりVISAとMastercardの2大ブランドが主流です。

アメックス、JCB、ダイナースは使えないことも多いので、2大ブランドを1枚プラス予備の2枚~3枚持ちが適当です。
JCBはブラジルで加盟店が増える可能性
実は日本の国産ブランドJCBは、2018年5月にブラジルでもクレジットカードの発行を開始したばかり。JCB加盟店は拡大中ですが、まだ十分とは言えず今後に期待です。
またブラジルにはJCB会員が割引や特典を使える「JCBたびらば優待店」もなく、サンパウロのJCBプラザ(スタッフ常駐のカードデスク)も2018年3月末をもって閉鎖されました。
JCBブランドはブラジル旅行に最適とは言えない状況なので、もしも新規入会するならVISAもしくはMastercardがおすすめですね。
ビザ取得にもクレジットカードが必要
ブラジル入国にはビザが必要ですが、ビザ取得にもクレジットカードが役に立ちます。というのもブラジル政府は、2018年1月から電子ビザへの対応をスタートしたからです。
この「e-Visa」によって、これまで面倒だったビザ取得の手続きがオンラインでスムーズに出来るようになりました。
- 処理時間:5営業日
- 査証料:合計44.24ドル(USD 40+VFS手数料USD 4.24)
- 決済方法:クレジットカード
- 引き受け企業:VFS Global
e-Visaなら、申請書の記入・必要書類のアップロード・クレジットカードでの査証料の支払いの3ステップが、全てオンラインで完結します。
クレジットカードでの支払いが済めば、e-VisaがPDFファイルで発行されます。これをダウンロードしてプリントアウトすれば、ビザ取得完了です。
なお偽サイトによるカード情報流出が報告されています。e-Visa取得の際には、必ずブラジル政府のサイトにて引き受け企業「VFS Global」の正確なURLを確認の上、手続きするようにしてください。
デビットカードのみ対応店では現金で
ブラジルはカード社会だと言いましたが、国内ではクレジットカードだけでなくデビットカードもよく利用されています。
そのため数は少ないですが、中には「デビットカード対応・クレジットカード未対応」というお店も存在します。
このデビットカードはブラジル国内で発行されたもので、日本から持参したデビットカードは使えませんのでご注意ください。(※日本のデビットカードはクレジットカード対応店で使用可能)
| ブラジルでの対応 | 日本のデビットカード | 日本のクレジットカード |
|---|---|---|
| クレジットカード対応店 | ○ 使える | ○ 使える |
| デビットカードのみ対応店 | × 使えない | × 使えない |
もしもブラジルでデビットカードしか使えないお店で買物してしまったとしたら、その場合は現金で支払うしかありません。
こういうケースもゼロではないので、ブラジルでのショッピングにはある程度の現金を持参する方がよさそうですね。
ブラジルではチップのためにも現金が必要
また欧米ほど明確ではないものの、ブラジルにもチップの習慣があります。チップは一切不要という説もありますが、荷物を運ぶなど特別なサービスに対しては、ブラジルでも小銭を手渡すのが普通です。
気持ちよくサービスを受けるためにも、ホテルやタクシーの利用時にはチップ用に現金を準備しておく方がよいでしょう。
ただし高級レストランなどでは10%サービス料金が上乗せされています。伝票などにその旨が記載されている場合は、チップなしでも全く問題ありません。
チップにはR$1コインが便利
次にブラジルの現地通貨を見てみましょう。ブラジルの通貨単位は英語読みだと「レアル」ですが、ポルトガル語では「ヘアウ、ヘアイス」と発音します。補助単位は「センターボ、センターボス」です。
| 通貨 | 表記「記号」 | 種類 |
|---|---|---|
| 紙幣 | Real(単)、Reais(複) 「R$」 |
R$2、5、10、20、50、100 |
| 硬貨 | Centavo(単)、Centavos(複) 「¢」 |
・R$1 ・10、25、50¢ |
チップにはR$1コインがよく使われています。R$1の価値は日本円では30円くらいです。R$50以上は高額紙幣とみなされ、お店によっては受け付けてもらえないことも。ブラジル旅行中はR$10以下の紙幣やコインの方が使いやすいです。
なお少額硬貨の¢1と¢5コインは殆ど流通しておらず、一般に端数は切り上げもしくは切り捨てられます。なのでブラジルでお釣りを少なく感じることがあっても、誤魔化された訳ではありません。
レアルへの両替には手数料が2倍かかる
では日本円からブラジルの現地通貨レアルには、どうやって両替すれば良いのでしょうか?以下のレート比較表を見ると、日本円から直接リアルに両替すると、日本でもブラジルでもコストが割高になることが分かります。
| 両替場所 | 両替方法 | レート |
|---|---|---|
| 日本 | 円→レアル | △ |
| ブラジル | 円→レアル | × |
| 日本 | 円→ドル | ○ |
| ブラジル | ドル→レアル | ○ |
これはレアルを一旦ドルに両替する必要があるからで、このせいで手数料が通常の2倍かかってしまうのです。
コストを安く上げようと思ったら、日本国内でよいレートでドルに両替して、次にブラジルでドルからレアルに両替するのが一般的です。
ブラジルで現金を持ち歩くのはとても危険
ブラジルの通貨レアルは両替しにくいだけでなく、安全性についても問題があります。そもそもブラジルでカードの普及が早かったのは、盗まれてもクレジットカードなら利用停止にできるため、被害を食い止めることが可能だからです。
犯罪の多発するブラジルでは、盗難の被害を最小限にするためにも昔からクレジットカードが必要だったんですね。
もちろん旅行者もブラジル人を大いに見習うべきです。持ち歩くドルやレアルは最小限にして、旅行中はできる限りクレジットカードで決済してください。
キャッシングでリアル調達は割安でおすすめ
そしてもしも旅行中に現金が足りなくなったら、クレジットカードのキャッシングがおすすめです。これならATMからいつでも現地通貨を引き出すことが可能です。
- ATMから現地通貨を引き出せる
- 両替手数料は不要
- ATM手数料と利用日数分の利息がかかる
キャッシングなら両替手数料は不要ですし(為替手数料は必要)、帰国後すぐに繰上げ返済すれば利息もわずかな金額で済みます。
ATMは設置場所と利用時間帯にご注意
ただしATMには用心してくださいね。ブラジルにはバスターミナルなど至る所にATMがありますが、設置場所と時間帯によっては以下のような犯罪に遭遇する危険性が高いからです。
- ATMに仕掛けられた装置によるスキミング
- 強盗
- 置き引き
- ひったくり
ATMは銀行に併設されているものを選び、なるべく明るく人通りの多い時間帯に利用するようにしましょう。
暗証番号が漏洩すると不正使用の補償対象外になる
特にスキミングでクレジットカードの暗証番号を抜かれてしまうと、不正使用されてもカード会社の補償を受けることができないのでご注意ください。
これは4桁の暗証番号の管理が、カード持ち主の責任とみなされるからです。スキミングで暗証番号を抜かれてキャッシングを不正使用された人が、現実にカード会社の補償を受けれなかった事例があります。
海外ではATMだけでなく店舗で暗証番号を入力する際にも、キーボードは手で覆って隠すのが普通です。
要注意!ブラジルには凶悪犯罪が多発
でもブラジルで用心せねばならないのは、こういった軽犯罪だけではありません。ブラジルは強盗や誘拐など凶悪犯罪の発生件数も多く、南米の治安の悪い地域の上位には常にランキングされています。
ブラジル大使館の公式ページには以下のような事件の発生事例が記載されており、これからブラジルを訪れる人達に注意を促しています。
- 強盗
- 車両強盗
- 誘拐
- 銃撃戦
強盗事件は住宅内だけでなく車両内・路上・ATM付近でも起こりますから、旅行者にも当然標的になる可能性があります。危険とされる地域には立ち入らないようにし、どんな場所であれ夜間の外出は控えてください。
ブラジルは切符もクレジットカードで!便利な交通カードもおすすめ
ブラジルでは電車やバスの切符もクレジットカードで購入できます。その他に便利な交通カードもおすすめですよ。
次にブラジルの交通機関におけるカード活用法をご紹介しましょう。
サンパウロのタクシーはカード払い可能
旅行者の足としてはタクシーもよく使われます。ブラジルでは電話で呼ぶだけでなく、日本と同様路上で流しのタクシーを停めることも可能です。
それにサンパウロ市内を走るタクシーにはカード端末の搭載が義務付けられていますから、現金がなくてもクレジットカードで料金を支払えます。
ブラジルでは意外なことにボッタクリも少なく料金も安いので、手軽な足としてタクシーはおすすめです。
ブラジルでは交通カードが便利
治安が悪いと言われるブラジルですが、ホームや車内での犯罪発生率は低く比較的安全です。サンパウロではタクシーだけでなく、ぜひ地下鉄にもチャレンジしてはいかがでしょう?
その際にはクレジットカードで購入できる交通カードが便利ですよ。BILHETE UNICOを持っていれば、旅行中の時間とお金の節約になります。
何故ならブラジルの駅には「券売機」がなく、乗車の度に窓口に並んで切符を買わねばならないからです。またこのカードでバスに乗り継げば割引料金になります。

- 駅や売店で販売
- 代金:R$10、R$15、R$20、R$50
- カード代金:R$3
- 駅構内でクレジットカードでチャージできる
- 地下鉄、鉄道、バスにも乗れる
- バスを乗り継ぐと割引になる
ビルへッチ ウニコの代金には本体代金が含まれており、それを除く金額がチャージされた状態で販売されています。
これ1枚で交通機関を乗り継げますし、残高がなくなればクレジットカードでチャージできるのは、旅行者にとって大変便利です。ブラジル旅行中は、交通機関の利用にもぜひクレジットカードをご活用ください。
ブラジル旅行中の緊急時に役立つ!クレジットカード活用法
旅行中にトラブルが生じても、備えががあれば動じずに楽しい旅行を続けることができるでしょう。
そこで注目したいのがクレジットカードの機能です。クレジットカードは単なる決済手段ではなく、旅先で何かあった時にはとても頼りになる存在なんですよ。
カード付帯保険の規約を確認しよう
ここで役立つのはクレジットカードの決済機能ではなく「付帯サービス」です。大抵のクレジットカードには保険サービスが付帯しており、会員は特に手続きしなくても「海外旅行傷害保険」が適用されます。
ただしカードによっては利用条件がついていたり、補償項目や補償額もカードによって異なりますから、クレジットカードさえ持っていれば大丈夫というものではありません。
ブラジル旅行前には、どなたも必ずお手持ちのカードの保険規約をしっかり確認することが大切です。
カード付帯保険で物品の盗難や破損をカバーできる
ではこれからクレジットカード付帯保険の内容を見ていきましょう。ブラジル旅行中の物品の破損や盗難については、カード付帯保険の以下の補償項目によってカバーできます。
| 補償項目 | 補償対象 |
|---|---|
| 「賠償責任」 | 損害賠償責任に対する補償 |
| 「携行品損害」 | 持ち物の盗難や破損に対する補償 |
なお賠償責任は、他人の所有物もしくは他人を傷つけた場合、損害賠償責任を負った際に適用される補償です。
盗難に遭ったら保険会社にすぐ連絡を
もしもブラジルで盗難に遭ったとしても、お持ちのクレジットカードの付帯保険が有効なら、盗まれた品物については保険金の請求をかけることができるんですね。
手続きは帰国後となりますが、請求が通れば付帯保険の「携行品損害」の補償額の範囲内で、その物品の価値に相当する保険金を受け取ることができるでしょう。
保険金請求には必要な書類もあるので、被害に遭ったらすぐ保険会社に連絡を入れて適切な指示を受けてください。
現金の盗難はカード付帯保険では補償されない
ただし「携行品損害」はバッグやカメラなど物品が対象で、クレジットカードや現金の盗難については補償の対象外となっています。
一般加入の保険の中には現金の盗難に対応するものもありますが、クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険にはそのような特約はついていません。
現金は盗まれたら終わりですから、ブラジルに必要以上のお金を持ち込むのは本当に危険なことなのです。
カード紛失盗難補償で不正使用にも安心
でもクレジットカードならそういった心配は無用です。カードは利用停止にできますから、盗まれてもすぐカード会社に連絡すれば悪用されることもありません。
それにクレジットカード本体に盗難紛失保険がついており、万が一不正使用されてもその分の請求は原則取り消されます。
カード暗証番号が漏洩すると補償を受けれない!?
ただし先ほども触れましたが、クレジットカードの4桁の暗証番号が漏洩してしまうと、不正使用された際に原則この補償を受けることができません。
キャッシングには暗証番号が必要なので、不正なキャッシングについては補償の対象外となることが多いのです。
- 暗証番号はカード入会時に自分で設定する4桁の数字
- 暗証番号の管理はカード会員の責任
- キャッシングには暗唱番号が必要
- キャッシングの不正使用は補償の対象外
このため分かりやすい暗証番号は避け、ATMや店舗で暗証番号を入力する際にはキーボードを片手でカバーする習慣を身につけましょう。
ブラジルは車両優先!交通事故にもご用心
でも金品を奪われるだけならまだマシかもしれません。ブラジルでは強盗にケガをさせられたという事例だってあるからです。またブラジルでは処罰が甘いためルールを守らないドライバーが多く、交通事故にも用心しなくてはなりません。
日本とは違って車優先社会ですから、国内と同じ感覚でのんびり歩いていると交通事故に巻き込まれる危険性があります。
事故にはカードの海外旅行傷害保険が役立つ
でもこんな時こそカード付帯保険が本領発揮します。ブラジルで怪我や病気をしても、海外旅行傷害保険の以下の補償がカバーしてくれるからです。
- 傷害治療費用(ケガの治療)
- 疾病治療費用(病気の治療)
- 救援者費用(医療搬送、家族が駆けつける際の費用)
海外で治療を受けると医療費が高いので、保険なしでは体調を崩しても気軽に病院へいくこともできません。
重症例では医療搬送にも高額な費用がかかる
下表はブラジルでの治療例と、それに対して支払われた保険金の例です。
| 事例 | 保険金 |
|---|---|
| ・交通事故 ・脳内出血 ・1年以上の入院 |
約1,000万円 |
| 扁桃腺の腫れなど | 約15,000円 |
| アレルギー性じんましん | 約30,000円 |
| 腹痛 | 約17,000円 |
重篤な事例になると、治療費だけでも膨大な額になることがわかるでしょう。海外からの医療搬送にも多大な費用がかかりますから、万が一のことを考えて「救援者費用」の補償額も必ずチェックしてくださいね。
海外サポートデスクが頼りになる
海外では保険が効かず10割負担ですから、どんな治療でも医療費が日本より高くなるのは仕方ありません。さらにブラジルには言葉の問題もあります。ブラジルの公用語はポルトガル語で、日本語や英語が通じない場合も多いからです。
実はそんな時にもクレジットカードが一役買ってくれるんですよ。大抵のカード会社は海外サポートの一環として、カードデスクが日本語が通じる病院を紹介してくれるからです。
ブラジル旅行には2枚以上のクレジットカード持参をお勧めします
ブラジル旅行におけるクレジットカードの使い方のご説明は以上です。ブラジルではショッピングや交通機関の決済方法として、また海外旅行傷害保険のためにも2枚以上のクレジットカードが絶対に必要です。
治安の悪いブラジルでは現金を持ち歩くことは危険なので、現地通貨も出来るだけキャッシングで調達しましょう。ただし安全な場所に設置されたATMを使うなど、防犯にはくれぐれも気をつけてくださいね。







