クレジットカード審査
クレジットカードの与信枠とは!?その仕組みと枠を増やす方法
投稿日時:2020.06.17
クレジットカードの与信枠とは、どのようにして決められているのか、疑問に思ったことはありませんか?与信枠とは、いわゆる「利用限度額」のことなのですが、300万円の人もいれば、30万円の人もいますよね。
その差は、どこから出てくるのでしょうか。誰がどのようにして決めているのか、その仕組みについて詳しく解説します。
クレジットカードを作りやすい人と、作りにくい人がいますが、それは与信枠とも関係があるのです。また、与信枠を大きくしたいと思ったときにはどうすればいいのか、その方法についても合わせてご紹介します。
クレジットカードの与信枠とは信用度のこと
クレジットカードの与信枠とは、読んで字のごとくです。信用を与えら得ている枠、つまり、カード会社から信用されている度合い、と思えばいいでしょう。
ここでいう信用度というのは、あなたの人格とは全く関係ありませんので、自分が人間的にダメなのか?と思わないでくださいね。
クレジットカード会社は、利用者に代わって代金を「立て替え」てお店に支払います。それを後でまとめて利用者の口座から引き落とすわけですが、つまり私たちは、カード会社に「借金」をしているのと同じことをしているのです。
つまり、与信枠とは返済能力と考えるとわかりやすいですね。
どのくらいの金額なら無理なく返済ができるのか、その枠が与信枠なのです。
これはカード会社ごとの審査方法があり、カード会社によってまちまちですが、一般的には公開されていません。
学生専用のカードなどは、あまり与信枠が大きくありません。学生の収入といえばアルバイト代くらいですから、月に20万円も30万円も使うことはあまりないでしょう。
企業の経営者などが使うようなカードになると、利用金額も大きくなってくるので、与信枠も最初から高めのものが多いです。
3種類あるクレジットカードの与信枠
与信枠とはその人の信用度、返済能力のことですが、どこを見ればわかるのか。それは、最初にカードが送られてきたときの書類か、利用明細書を見ればわかります。
- ショッピング枠(一括払い)
- ショッピング枠(リボ払い、分割払い)
- キャッシング枠
と、それぞれ金額が書いてあると思います。これが、あなたの与信枠です。3種類ありますが、与信枠はこの3つで振り分けていることになります。
例えば、全体で50万円の与信枠だったとしましょう。
- ショッピング:50万円
- (うち割賦払い:20万円)
- キャッシング:20万円
となっていた場合、通常の一括払いのショッピング枠は50万円ということになります。割賦払いとは、リボ払いや分割払いのことで、通常、一括払いの金額よりも低くなっています。
キャシシング枠を設定している場合は、法律の規定(貸金業法による総量規制)により、年収の1/3までが上限となりますが、他社のキャッシングサービスと合わせてなので、複数枚カードを持っていれば、その分低くなります。
ショッピング枠
ショッピング枠とは、買い物に使える金額のことです。50万円なら、カードでお買い物できる金額が50万円まで、ということになります。
分割払い・リボ払い枠
一般的には、「割賦払い枠」と書かれていることが多いです。一括払い以外の支払い方法に与えられている枠ですが、カード会社によってはリボ払いはいくら、ボーナス一括払いはいくら、と支払い方法に合わせて枠が決められています。
この枠は独立しているわけではなく、一括払いの中に含まれているということに注意してください。
例えば上記の例ですと、割賦枠は50万円のうち20万円ということになるので、20万円の品物を分割払いにしたら、割賦枠を使い切ってしまうということ。
全体の枠が50万円あるからといって、同じ月に10万円分の買い物を「今度はリボ払いにしよう!」としてもできないということです。
この枠を把握しておかないと、高額なお買い物をした時に「一括払いしかできない」といった状況になるので、注意が必要です。
キャッシング枠
キャッシングは、急に現金が必要になった時に、ATMでお金を借りられる方法ですが、こちらも枠が決まっていますので、この枠内でしかお金を引き出すことはできません。
先ほども少し説明しましたが、キャッシング枠には法律の規制があり、「年収の1/3まで」という決まりがあります。
この1/3というのは、すべての借入総額に関わってきますので、例えば年収が300万円でカードを3枚持っているから、それぞれのキャッシング枠が100万円、という話ではありません。
また、キャッシングとは純粋な借金ですから、収入のない人やアルバイトしかしていない人は、そもそも枠が与えられないことも多いです。
クレジットカードの与信枠の確認の仕方
カードが送られてきたときの書類はないし、利用明細もすべて紙はやめてしまったから、与信枠がどのくらいかわからないという時には、会員専用のページを見てみるとわかります。
全体の枠も、今月いくら使っているか、あといくら使えるかもわかるので、心配な時はこまめにみるようにしてください。
冒頭でも触れましたが、クレジットカードの与信枠とはクレジットカードの利用限度額のことです。
クレジットカードの与信枠の仕組みや決め方
では、この与信枠はどのように決められるのでしょうか。単純に年収だけで決まるのではなさそうです。
初めてカードを作るときは低めに設定される
初めてクレジットカードを作る時には、その人の生活状況などが全くわかりませんので、最初は10?30万円程度の額が設定されることが多いです。
与信枠の中で適切に使い、滞りなく返済していると、1年ほどで与信枠が増やされるでしょう。
職業によっても違う
初めてカードを作る場合であっても、職業によって、または社会人になってからの年数によって、最初からある程度大きな枠が設定されることもあります。
- 医師
- 弁護士
- 公務員
など、収入が高い人や安定している人は、問題なく返済できるであろうという予測から、大きめの与信枠を与えられることが多いでしょう。
収入が高ければいいというわけではなくて、一時的に収入が上がっても、不安定な職業だと与信枠が低めになることもあります。
例えば、同じ年収でも、正社員と契約社員の違い、大手上場企業と中書企業の違いなどが、与信枠に影響を与えます。カード会社としては、収入の高さだけでなく、安定性を重視しますから、
- 勤務形態
- 会社の規模
- 年齢
- 職種
- 既婚か未婚か
- 子供の有無
など、あらゆる角度から考えて、「この人なら大丈夫」と判断されると、与信枠が大きくなるのです。
審査する時には、これらの項目を数値化し、点数化することによって与信枠を決めていきます。これを「スコアリング」といいます。
クレジットヒストリー(信用情報)も大事
年収や職業以外に、与信枠に影響を及ぼすものがあります。それがクレジットヒストリー(信用情報)、いわゆるクレヒスです。
クレヒスには、
- 借り入れの有無
- 返済状況
などが記録されているため、他のカード会社で滞納を繰り返している、などという記録があると、与信枠が小さくなるどころか、カードの審査にすら落ちる可能性があります。
クレヒスは、カード会社が独自に持っているものと、個人信用情報センター(3ヶ所)が持っているものがあります。
- CIC(シーアイシー):クレジットカード、消費者金融携帯料金など(5年保存)
- JICC(日本信用情報機構):クレジットカード、消費者金融など(5年保存)
- KSC(全国銀行個人信用情報センター):金融機関、奨学金など(10年保存)
多くのクレジットカード会社は、CICに加盟しています。
クレジットカードの申し込み状況や審査状況、利用状況などが記録されているので、それを確認して、「この人は大丈夫か」ということを判断するのです。
借金があることがいけないのではなく、きちんと返済していれば問題はありません。良いクレヒスを積み重ねている人は、与信枠が最初から大きくなることもあります。
支払可能見込み額とは
クレジットカード会社は、申込者の職業や年収などのスコアリングと、クレヒスを確認して支払可能見込み額を計算します。
支払可能見込み額とは、1年間で支払うことができる金額の見込みのことで、この金額を計算することによって詳細な与信枠を確定させるのです。
- 支払可能見込み額=年収・預貯金ー年間請求予定額ー生活維持費

という計算式で算出します。
年収が500万円あったとしても、買い物以外で使うお金(生活維持費)があるのですから、年収がそのまま与信枠にはならないということはわかるでしょう。
年収や預貯金の額は、カードを申し込むときに申告した金額になりますので、ここでは見栄を張ったり、嘘をつかないほうが賢明です。
実際の計算方法は、以下の例をみてください。
Aさんの計算例
- 年収:400万円
- 住宅ローン:あり
- 世帯人数:4人
- 年間請求予定額:50万円
- 生活維持費:240万円
- 支払可能見込み額=400万円ー50万円ー240万円=110万円
となります。この数字から与信枠を決めるには、0.9を乗じて出た金額とされているので、
- 110万円×0.9=99万円
Aさんのクレジットカードの与信枠は、99万円を超えない範囲内で設置されることになります。この計算は、あくまでも目安ですので、他の状況を踏まえて、枠が大きくなること、または小さくなることがあります。
途中で大きくなることも小さくなることもある
与信枠は、一度決まったら変わらない、というものではありません。普通にクレジットカードを使って、問題なく返済していれば、自然と枠が大きくなっていくものです。
反対に、仕事を辞めてしまったり、延滞を繰り返していると、枠が小さくなってしまったり、最悪は利用停止ということもあります。
クレジットカードの与信枠の勘違い。1ヶ月に使える金額ではない
与信枠の決め方は、お分りいただけたでしょう。ここで、よくある使い方の勘違いについて説明しましょう。
与信枠の金額は、1ヶ月に使える金額だと思っている人が非常に多いのですが、それは違います。
締切日で復活するわけではない
クレジットカードごとに、「25日締め、翌月15日払い」など、返済スケジュールが決まっていますが、締切日を過ぎたら、与信枠が復活するわけではありません。
与信枠が50万円だったとして、今月40万円使ってしまったとしましょう。25日を過ぎれば、また50万円使える!ということにはならないのです。
締め切りの25日から、引き落としがある翌月15日までは、与信枠の残り、10万円しか使えないことになります。
ですから、50万円使えるつもりでカードショッピングをしていると、10万円を超えたところで「利用限度額に達している」という理由で、クレジットカードが使えなくなりますので、ご注意ください。
引き落とし日を過ぎて、無事に返済が終わらないと、与信枠は復活しないのです。
リボ払いの与信枠は復活が遅い
リボ払いの場合は、さらに枠が復活するのに時間がかかります。例えば、20万円のお買い物をしたとしましょう。
20万円を毎月1万円ずつ、手数料をプラスして返済していく場合、翌月返済が終わった後に復活する与信枠は、1万円分だけ。残りの19万円はまだ返済していないので、枠が復活しないのです。
必ず、あといくら利用できるのかを確認しながら、計画的にお買い物を楽しみましょう。
与信枠以内で使っているのにカードが使えない!
今月、あといくら使えるのか、きちんと確認しながら使っているのに、カードが利用できなかった!ということがたまにあります。
そんな時は、このようなことがないか、調べてみてください。
- 同じクレジットカード会社のカードを複数使っている
- いつもより急に高額な買い物をした
- 家族カードの利用があった
クレジットカーの与信枠は、カードごとに設定されているので、複数持っているときに、それぞれの限度額いっぱいまで使えると思われがちですが、それは利用しているカード会社が違う場合です。
例えば、違う国際ブランドのカードを作りたくて、同じクレジットカード会社のカードを2種類作ったとします。
Aは100万円、Bは50万円となっている場合、150万円使えるのではなく、高い方が上限になります。この場合、100万円までしか使えないので、注意が必要です。
また、いつもと使い方が違うとクレジットカード会社が判断した場合に、不正利用ではないかということを疑われて、一時的にカードが利用停止になることもあります。
いずれにせよ、不明点がある場合には、カード会社に問い合わせをするのが確実でしょう。
与信枠を超えても使えるのはなぜ?
たまに、与信枠を超えてるはずなのに、使えてしまうことがあります。
また、使ったのがETCカードだった場合、一時的に与信枠を超えても大丈夫なことがあります。というのも、通常ETCカードは、車載器に取り付けて使いますよね。
料金所をスムーズに通過するための仕組みですから、カードが使えないことで車が停止してしまったら、そこで渋滞が起きてしまいます。
車をストップさせないために、一時的にETCカードを使えるようにしているだけですから、カードが使えないなんてことにならないよう、計画的に利用するようにしてください。
クレジットカードの与信枠を増やすにはどうすればいいか。4つの方法
もう少し、安心して大きな買い物がしたいなと思ったら、与信枠を増やしてもらうという方法があります。
具体的には、4つの方法がありますので、自分のスタイルにあった方法を選びましょう。
①地道に返済を繰り返す
まず王道なのは、普通に、きちんと使うことです。無理のない範囲で買い物を楽しみ、返済を決して滞らせないことです。
カードにもよりますが、地道に使っていると何も言わなくても勝手に与信枠を大きくしてくれます。
最初は30万円くらいだったのが、いつの間にか100万円になっていたというのはよくあることです。
②カード会社に増額を申し出てみる
利用状況に問題がないと思ったら、自分からカード会社に申し出るのもありです。最低でも半年は使い続けてから、連絡してみましょう。
電話をしてみるか、もしくは会員専用サイトからメールでお願いしてみてください。
③ランクの高いクレジットカードを作る
増額もしてほしいし、もっと特典がついたクレジットカードがいいなと思ったら、思い切って上位ランクのクレジットカードに申し込むという方法もおすすめです。
カードのランクが上がるほど、年会費も高くなりますが、与信枠も大きくなるのです。
しばらく使い続けていて、返済が遅れたこともなく、年収もアップしているなら、カードのグレードアップをしてみてもいいでしょう。
④カード会社によっては一時的な増額をしてくれるところもある
普段は特に問題ないのだけれど、来月海外旅行に行くから、その時だけ少し枠が増えるといいな、と思うこともあるでしょう。
そんな時は、一時的に増額をお願いする、という方法もあります。
一応審査はありますが、一時的なものなので、これまでの支払いに特に問題がなければ、無理なく通過できるでしょう。
クレジットカードの与信枠を高くするには信用度を上げること!
クレジットカードの与信枠は、今の自分の社会的な信用度ということになります。最初のうちは低く設定されるものの、上手なクレジットカードの使い方をしていれば、すぐに増えていくものです。
信用度を上げたければ、支払いが遅れたり、限度額いっぱいに使って、カードが利用できない!というようなことのないようにすれば大丈夫です。
信用というのは地道な努力で高めていくものです。焦らず、計画的な利用をしていれば、そのカードの最も高い与信枠に到達するのも、そう難しいことではありません。もっと高くしたいと思うなら、毎月の利用の仕方などを見直してみてください。












