お得なマイルの貯め方と使い方
マイレージとは?マイルの基礎知識と各社のマイレージを比較
投稿日時:2017.12.19
飛行機に乗る機会が少ない人は、一般にマイレージへの関心も薄いようです。でもそれほど頻繁に飛行機を利用しなくても、実は交換に十分なマイルを貯めることはできるんですよ。マイレージは大変お得なプログラムですから、有効利用しないと損です!
そこで今回は、今さら人に聞けないマイレージの基本を、初心者の方にも分かりやすくご説明したいと思います。これからマイラーを目指そうと思っている方は、是非ご参考になさってくださいね。
マイレージとはどんなもの?初心者のためのマイル指南
そもそもマイレージとは一体どんなものなのでしょう?マイルを一度も貯めたことのない初心者の方向けに、まずはその概要からご説明したいと思います。
マイレージとは!?
クレジットカードやポイントカードを使うと利用額に応じて「ポイント」が貯まりますが、マイレージもそれと全く同じです。
マイレージとは、航空会社を利用することで「マイル」が貯まるサービスです。
但し付与されるマイル数は、基本的に支払い金額ではなく飛行機を利用した距離に応じて決まります。ここが通常のポイントとは異なるところですね。
付与マイルは区間基本マイレージと積算率で決まる
もう少し詳しく言いますと、貯まるマイル数は「区間基本マイル」と「積算率」によって決まります。この2つを乗じたものが、一回の搭乗で獲得できるマイル数、即ち「フライトマイル」です。
付与マイル数 = 区間基本マイル × 積算率
区間マイルは国際基準を元に決められる
区間マイルは、毎年春と秋に国際基準を元に決められます。以下は2017年12月時点のJAL国内/国際線の区間マイルの一例です。
| 搭乗区間 | 区間マイル |
|---|---|
| 東京ー大阪 | 280マイル(片道) |
| 東京ー石垣 | 1,224マイル(片道) |
| 東京ー釜山 | 618マイル(片道) |
| 東京ーロンドン | 6,214マイル(片道) |
積算率は運賃やクラスによって違う
積算率の方は、クラスや運賃によって変わります。以下はANA国際線と国内線の積算率です。
| ANAマイレージ | 積算率 |
|---|---|
| 国際線ファーストクラス | 150% |
| 国際線ビジネスクラス | 70%〜150% |
| 国際線エコノミークラス | 30%〜100% |
| 国内線プレミアム運賃など | 100%〜150% |
| 国内線得割など | 75% |
| 国内線個人包括旅行割引運賃など | 50% |
同じ移動距離でも、このようにランクや運賃が違うと、マイルの貯まり方にも差が生じるんですね。国際線の場合ファーストクラスに乗れば、もっとも多くのマイルを獲得できることになります。
マイレージプログラムに参加しないとマイルは貯まらない
マイルを貯めるには、まず利用する航空会社のマイレージプログラムに登録しなくてはなりません。費用(入会金や年会費)は一切不要ですし、マイルが貯まる他にも以下のようなメリットがあるので、飛行機に乗るならマイレージプログラム登録は絶対に欠かせません。
- マイル交換
- マイル確認
- その他会員サービス
マイレージ会員になるとカードが発行されます。カードは電子マネーやデビットカード機能つきのものも選べますが、おすすめなのは「クレジット機能搭載型」です。後で詳しくご説明しますが、マイルの貯めやすさではこのタイプが一番ですね。
国内で主に使われているマイレージは4種類

国内で利用の多いマイレージは以下4種類です。各航空会社は、それぞれ独自のマイレージサービスを提供しているんですね。
| 航空会社 | マイレージプログラム | 航空連合(アライアンス) |
|---|---|---|
| ANA(全日本空輸) | ANAマイレージクラブ | スターアライアンス (Star Alliance) |
| JAL(日本航空) | JALマイレージバンク | ワンワールド (oneworld) |
| デルタ航空 | スカイマイル | スカイチーム (Sky Team) |
| ユナイテッド航空 | マイレージプラス | スターアライアンス (Star Alliance) |
ここでご注目いただきたいのが「航空連合(アライアンス)」です。次にこのアライアンスについてご説明しましょう。
同じアライアンス間ではマイルを共有できる!
マイレージサービスを提供する航空会社は、必ず航空連合(アライアンス)に加盟しています。現存するアライアンスは3種類。主要メンバーは変わりませんが、その他の企業については離脱や新規参入も珍しくありません。アライアンスは決して固定されたものではないのです。
マイルを貯める際にアライアンスにも気を配る必要があるのは、実は同じアライアンス間ではマイルを共有できるからなのです。
同じアライアンスに所属する航空会社同士なら、マイルの獲得と利用ができますが、アライアンスが異なると貯めたマイルを利用できない為、注意が必要です。
同一アライアンスのマイレージは貯めやすい
例えば上記の表を見ると、ANAとユナイテッド航空は同じスターアライアンス(Star Alliance)に所属しています。この両方の航空会社を利用する人は、それぞれのマイレージプログラムでマイルを獲得できますが、それだとなかなか目的のマイル数が貯まらず、交換までに時間がかかってしまいます。
しかし同じアライアンス同士のマイルなら、どちらか一方にまとめることが可能です。
- 同じアライアンスのフライトマイルはまとめることが可能
- 必要マイルをより早く貯めることができる
- サービスステイタスのランクアップも早い
マイルには有効期限がありますから、貯めるスピードが遅ければ交換前に失効する恐れも。少しでも早く目標のマイル数を獲得するには、この方法を知っていると便利です。
乗り継ぎのマイレージもまとめることが可能
またマイルをまとめれば航空会社の顧客ステイタスもより早くランクアップできます。上級顧客になればボーナスマイルの加算率が上がるので、益々マイルは貯めやすくなるでしょう。
複数の路線を乗り継ぐ旅でも、ANAとユナイテッド航空のように同じアライアンス所属の航空会社なら、この方法でマイルをまとめることが可能です。
アライアンス以外にも「マイレージ提携」している航空会社がありますが、この場合マイルの合算は単一空路のみにしか適用されません。自由な組み合わせでマイルをまとめることができるのは、同じアライアンス同士に限られます。
同じアライアンスの航空会社なら特典航空券との交換が可能
また同じアライアンスに所属する航空会社なら、貯めたマイルを特典航空券と交換したりアップグレードに使うこともできます。
例えばANAマイルなら、スターアライアンスのどの航空会社の特典航空券とも交換可能です。
複数の航空会社を利用する方は、マイル交換先の選択肢も多いんですね。
スターアライアンスはANAなど28社が加盟

では次に、3つのアライアンス加盟の航空会社一覧をご紹介しましょう。アライアンスの加盟航空会社には時折変動があるため、必ず最新情報をご確認ください。以下は2017年12月時点のデータです。
- ANA
- アドリア航空
- エーゲ航空
- エアカナダ
- 中国国際航空
- エアインディア
- ニュージーランド航空
- アシアナ航空
- オーストリア航空
- アビアンカ航空
- アビアンカ・ブラジル航空
- ブリュッセル航空
- コパ航空
- クロアチア航空
- エジプト航空
- エチオピア航空
- エバー航空
- LOTポーランド航空
- ルフトハンザドイツ航空
- スカンジナビア航空
- シンセン航空
- シンガポール航空
- 南アフリカ航空
- スイスインターナショナルエアラインズ
- TAPポルトガル航空
- タイ国際航空
- ターキッシュ エアラインズ
- ユナイテッド航空
ワンワールドはJALなど13社が加盟

- JAL
- アメリカン航空
- ブリティッシュ・エアウェイズ
- キャセイパシフィック航空
- フィンエアー
- イベリア航空
- LATAM航空
- マレーシア航空
- カンタス航空
- カタール航空
- ロイヤルヨルダン航空
- S7航空
- スリランカ航空
- LATAM航空
スカイチームにはデルタ含め20航空会社が加盟

- デルタ航空
- アエロメヒコ航空
- エールフランス
- 大韓航空
- チェコ航空
- KLMオランダ航空
- アエロフロート・ロシア航空
- エア・ヨーロッパ
- ケニア航空
- 中国南方航空
- アリタリア-イタリア航空
- タロム航空
- ベトナム航空
- チャイナエアライン
- 中国東方航空
- 厦門航空
- サウジアラビア
- ミドル・イースト航空
- ガルーダ・インドネシア航空
- アルゼンチン航空
マイレージ比較で一番お得なのはどれ?4つのマイルを比較検討!
同一アライアンス内の航空会社でも、別々のマイルで貯めてしまうと基本的に合算はできません。やはりこれからマイルを貯めるなら、マイレージは最初から一つに絞っておく方がいいですね。
では選ぶとしたら、一体何を基準にすればいいのでしょう?これからあなたに合うマイレージを見つける方法をご紹介します。
貯めやすさがマイレージ第一のポイント!
実際に航空会社を選ぶ前に、マイレージ選択基準のポイントを確認しておきたいと思います。まず第一のポイントは貯めやすさです。マイレージは貯めないと始まりませんから、貯めやすいことは何よりも重要です。
それには勿論利用したい路線をカバーしていることが第一です。国内線をよくご利用の方なら、JALかANAのいずれかということになるでしょう。次に就航路線の多い航空会社であること、そして提携クレジットカードが豊富で選びやすいことも大切です。
- 自分がよく使う路線をカバーしている
- 就航路線が多い
- 提携クレジットカードが豊富
またショッピングでもマイルを貯めるには、クレジット機能付きのマイレージカードが欠かせません。
こういったカードがあれば、特典航空券の獲得をより早まります。マイル機能搭載型クレジットカードのバリエーションが多ければ、どなたもマイルを貯めやすい1枚を選ぶことができるでしょう。
使いやすさはマイレージ第二のポイント!
勿論マイルを使いやすいこともマイレージ選びの重要ポイントです。一生懸命貯めても、なかなか特典航空券と交換できないのでは困りますよね。
- 特典航空券の予約がとりやすい
- ブラックアウトデイトが少ない
- 少ないマイル数から交換できる
ブラックアウトデイト(特典航空券を取ることのできない期間)が多かったり、人気が高く予約が集中する航空会社は、特典航空券が取りにくいので注意しましょう。
どの航空会社にもブラックアウトデイトは設定されていますが、会社によって、また年度によっても日付は異なるので、利用の都度公式サイトでご確認ください。
その他に特典航空券との交換単位が少ないことや、少ないマイルでも有効利用できることも、マイルの使いやすさの重要ポイントになります。
マイルが無駄になりにくいことも重要!
でもいくらマイルを貯めても、飛行機を利用する機会がなければどうしようもないですよね。通常マイルは一定期間を過ぎれば失効してしまうため、貯めたマイルが無駄にならない仕組みも必要です。
- 有効期限が長いもしくは無期限
- 他の人に譲渡できる
- 他ポイント等に移行しやすい
有効期限が迫っても、失効する前に誰かにマイルをプレゼントできたり他ポイントに移行できるなら、せっかく貯めたマイルが無駄になりません。
特典やサービスがお得なことも重要!
その他のお得度も、マイレージ選択の決め手になります。
- より少ないマイルで特典航空券に交換できる
- 燃油サーチャージ費用が安い
- その他割引制度や特典サービス
特典航空券がより少ないマイル数で手に入ることはお得度の大きな目安ですが、燃油サーチャージ費用もまた無視できません。燃油サーチャージは特典航空券の利用時にも支払う必要があるため、その金額はマイラーにとっては大問題です。
運賃とは別建で徴収される燃料費のこと。原油価格によって値段が変わる。
原則特典航空券の利用時にも燃油サーチャージ費用は支払わなくてはならない。
燃油サーチャージ費用は原油価格によって変動するので、時々チェックしてください。ANAとJALは2016年4月より燃油サーチャージは無料でしたが、2017年4月から復活、その後も値動きが続いています。
またマイレージサービスに付属する魅力的な特典やサービスも、お得度や満足感を大きく左右します。特典は提携クレジットカードに付帯していることが多いので、カード詳細やキャンペーン情報は必ずチェックしてくださいね。では次に、主な4社のマイレージを比較することにしましょう。
4つの主要マイレージを比較!
以下一覧にしましたのでご覧ください。
| 航空会社 | ANA | JAL | デルタ | ユナイテッド |
|---|---|---|---|---|
| 就航路線 | 191 | 181 | 963 | 949 |
| 有効期限 | 3年 | 3年 | 無期限 | 1年半 ※延長あり |
| マイル譲渡 | 両親、 子供、 配偶者 |
両親、 子供、 配偶者 |
可 | 可 |
| 移行先ポイント | 楽天Edy Suica※ nanaco T-POINTその他 |
Pontaポイント 電子マネーWAON※ Suica※ PASMO※その他 |
– | – |
| 貯めやすさ | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆ | ☆ |
| 特典航空券との 交換レート |
☆☆ | ☆☆ | ☆ | ☆☆︎ |
| 提携クレジット カードの数 |
多 | 多 | 少 | 少 |
※特定のクレジットカードでのみ交換可能
デルタやユナイテッド対応のクレジットカードもある
少し補足説明をしておきましょう。
デルタのスカイマイルは無期限なのでずっと貯め続けることが可能です。ただ特典航空券との交換レートは、他と比べてやや低くなっています。
なおユナイテッド航空のマイレージプラスが貯めにくいのは、フライトマイルが就航距離ではなく購入航空券の運賃に基づいて算出されるからです。
しかしユナイテッド航空のマイレージプラスは、加算や交換で有効期限が18ヶ月延長されるので実質無期限ですし、同じアライアンスのANAマイルとまとめればより貯めやすくなります。
デルタスカイマイルとユナイテッド航空マイレージプラスは他人への譲渡もできますが、一方国内航空会社のマイルは国内電子マネー等と交換できるなど、マイルが無駄にならない仕組みはそれぞれに備わっています。
なお提携クレジットカードの数はJALとANAが圧倒的多数ですが、デルタやユナイテッド空港のマイルが貯まるカードも国内では発行されており、それぞれ充実したサービスで人気があります。
マイレージはここに気をつけて!貯め方と利用の注意点
最後に、マイレージについての注意事項をまとめておきましょう。マイルを貯めたり交換する際には以下のことに気をつけて、マイレージを上手に活用してください。
アライアンス内のマイル合算は原則予約時に申告が必要
先ほど同じアライアンス所属の航空会社マイルなら、一つのマイルとしてまとめることができるとご説明しました。でもこれには一定の手続きが必要です。
その場合はチケットの予約時に、以下の手順で希望するマイレージ番号を登録してください。これを忘れるとマイル加算されません。
- 予約時:マイレージ番号を登録
- 搭乗日:チェックイン時にカードを提示
- 搭乗後:確認書類を保管
- 数日〜1ヶ月後:マイル加算
マイル積算は6ヶ月以内なら事後登録も可能
もしもマイレージ番号の登録を忘れた場合、また何らかの事情でマイル加算されなかった場合には、ANAやJALでは6ヶ月以内なら事後登録が可能です。
その際には搭乗後に発行される「確認書類」が必要ですので、マイル加算が確認できるまでは捨てずに保管しておきましょう。
クレジットカードなら陸でもマイルが貯まる!
航空会社のマイレージに参加する際には、発行カードの選択も重要です。特にクレジット機能つきタイプをおすすめしたいのは、これなら飛行機に乗らなくてもマイルを獲得できるからです。
クレジット機能つきマイレージカードを作っておけば、以下のように飛行機とは無関係な利用でもマイルが貯まります。なお飛行機で獲得できるマイルをフライトマイル、陸で貯まるマイルをショッピングマイルとも言います。
- 毎日の買物
- 電車賃やガソリン代
- 電気料金などの固定払い
マイルを特典航空券と交換すれば還元率換算では1.5%以上にもなりますから、普通のクレジットカードのポイントよりもはるかにお得!マイラーが熱心になるのも頷けますよね。
ポイントとマイル両方貯まるクレジットカードもある
ただマイレージ搭載型クレジットカードには以下2種類あるので、選ぶ際にはご注意ください。
- マイルだけ貯まるタイプ
- ポイントとマイル両方貯まるタイプ
ポイントも貯めたいという方には、後者のタイプが便利ですよね。ただそういったカードでは、貯めたポイントをマイルに交換する際に手数料のかかる場合があります。
レートが高いとマイル移行手数料がかかる
以下は「ANA一般カード(VISA)」(クレジット機能つき:2年目以降年会費 税抜2,000円)のポイントをマイルへ移行する際の年間手数料です。
| ANA一般カード(VISA) | 移行手数料(年間) | 移行レート |
|---|---|---|
| 10マイルコース | 6,480円 | 1ポイント=10マイル |
| 5マイルコース | 無料 | 1ポイント=5マイル |
低いレートのコースは無料ですが、高いレートで交換するなら登録料(年間)が別途必要となります。移行コースを選ぶ前には、一度年間獲得マイル数を試算してみてください。飛行機をよく利用する方なら、手数料を上回るマイルが貯まります。
但し多くのマイラーは通年登録しないのが普通です。交換する年だけ登録し、マイル交換が終われば退会して手数料を節約しています。
特典航空券の利用時にはフライトマイルは付与されない
最後にマイルが加算されない例をあげておきましょう。以下のケースでは、飛行機に乗ってもフライトマイルは貯まりません。
- 特典航空券
- 無償航空券
- 各種優待割引航空券
マイルと引き換えた特典航空券を使っても、新たなマイルは加算されないんですね。その他優待で割引になったりプレゼントされた航空券も、マイル付与の対象外です。
また飛行機を利用していると、たまにサービスで座席をアップグレードしてもらえることがありますが、その場合の積算率は元の予約時のものが適用されます。
マイルはそう簡単に獲得できない仕組みになっていますが、年に一度でも飛行機を利用する方なら、マイレージの活用はおすすめですよ。
マイレージとは飛行機を使うなら絶対お得なプログラムです
マイレージは、年に一度でも飛行機に乗る機会があるなら絶対に使うべきサービスです。クレジットカードを使えば買物でもマイルを貯めることができますし、同じアライアンスのマイレージなら合算も可能です。
特典航空券への引き換えができなくても、マイレージの種類によっては他のサービスや他社ポイントとしても使えるので、貯めたマイルが無駄になることもありません。
あなたもクレジット機能付きマイレージカードで、空でも陸でもマイルを貯めてみませんか?







