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クレジットカードを返し忘れた時の対処法!対応を誤るとトラブルに

投稿日時:2019.07.08
最近ではキャッシュレス化が進み、クレジットカードを利用するお客様も以前より格段に増えています。例えばレジが立て込んでいるときなど、うっかり預かったクレジットカードを返し忘れてしまうということもあるかもしれません。
クレジットカードは外見だけ見れば小さなカードですが、中には重要な個人情報が詰まっているうえに支払いに利用することができる非常に重要なツールです。
万が一カードの返し忘れが発生した際に対処を誤ってしまうと、お客様とのトラブルにも発展しかねません。
そこでここでは、お客様にクレジットカードを返し忘れた場合に取るべき対処法や注意点について、詳しく解説していきましょう。
お客様にクレジットカードを返し忘れた!その時の対処方法
もしもお客様にクレジットカードを返し忘れてしまっていることに後から気が付いた場合、何よりも重要なのは確実に本人の手元に返却するということです。
お客様が立ち去った直後にすぐに気が付くことができて、追いかけて直接クレジットカードを手渡すことができればそれがベストですよね。
もちろんお店側の過失なのでしっかりと謝罪をしなければなりませんが、それでもトラブルというほどのことにはならず、すんなりと返却することができるでしょう。
しかしたいていのケースでは、クレジットカードの返し忘れに気が付いた時にはすでにお客様が売り場や施設内を離れてしまっているという可能性が高いと思います。
その場合は、どうにかしてお客様に連絡を取り、クレジットカードの返し忘れを伝えなければなりません。
お客様の個人情報は確認可能?連絡先がわかればスムーズ返却
クレジットカードの返し忘れにあたって、お客様に直接連絡を取ることができれば、比較的スムーズにカードを返却することができますよね。
例えば利用にあたって個人情報の登録が必要になる会員制のお店・施設などであればお客様の電話番号を確認することはできるはずです。
あるいはホテルや飲食店などでも事前予約の際に連絡先の記録が必要になることが多いですよね。そのような場合であれば、直接お客様に電話で連絡をとってどのようにクレジットカードをお手元に返却するか相談することが可能になります。
あとは自宅にスタッフがクレジットカードを届けに行く、郵送する、あるいはお店にお客様自身に取りに来ていただくなど、何らかの方法でカードを返却することができるでしょう。
お客様と連絡が取れない!そんな時はカード会社に連絡を
お客様の連絡先が分からず、直接連絡を取ることができないというケースも少なからずありますよね。
その場合は、クレジットカード会社に連絡をするのが基本的には適切な対処となります。
クレジットカードの裏面には、必ず紛失などのトラブル発生時に連絡すべきカード会社のサポートダイヤルが記載されているものです。このダイヤルに連絡して、事情を説明しましょう。
そうすると、カード会社からお客様本人に連絡をとってお店がクレジットカードを返し忘れて保管しているということを伝えてくれます。そしてお客様の方からお店に連絡を取り、カードの返却に関するやり取りをするということになります。
さらに機能停止と言っても、あくまでも一時的な措置でお客様の手元にクレジットカードが返ったらまた機能を再開する場合と、完全にそのカードの機能が失われ無効化してしまう場合があるのです。
これらの対処は原則としてカード会社の判断によるものであり、どのような状況でどうなると一概に言えるものではありません。
クレジットカードが無効化になると再発行
ただ、万が一、クレジットカードが無効化されてしまうとなると、そのカードはお客様の手元に戻ってももう利用することはできず、再発行が必要になってしまいます。
クレジットカードの返し忘れという店側の過失でクレジットカードが無効化されてしまうというのは、お客様にとっては一方的な損であり、トラブルになりかねないので対応には多少の注意が必要です。
トラブルを防ぐ!クレジットカード返し忘れ発生時の4つの注意点
繰り返しになりますが、クレジットカードは現金と同等かそれ以上に重要性の高いツールとなっています。限度額は数十万円にも及びますし、カードによってはキャッシングも可能です。
だからこそ、クレジットカードの返し忘れが発生した際の対処方法を誤ると大きなトラブルに発展してしまうことがあり得ます。
ですからここからは、クレジットカードの返し忘れに対処したり、クレジットカードを保管・返却するにあたっての注意点についても解説しておきたいと思います。
- なるべく速やかにお客様やカード会社への連絡などの対処を進める
- 社内・店内のスタッフ間で間違いなく情報共有をしておく
- クレジットカードを一時的に保管する場合は取り扱いに十分注意する
- クレジットカードの返却時には本人確認を必ず行う
クレジットカードの返し忘れ事案に関して、主に気を付けるべきはこの4点です。それぞれの注意点について、以下にもう少し詳しくご説明していきましょう。
クレジットカード返し忘れの対処は後回しはNG!速やかに対応すべし
クレジットカードの返し忘れに気が付いたときに何よりも重要なのは、お客様やカード会社への連絡などの対応をなるべく後回しにせず、速やかに行うということです。
クレジットカードが手元にないことには、お客様本人も遅かれ早かれ必ず気が付きます。その時にお店でクレジットカードを受け取っていないことがわかっていれば、お客様からお店に問い合わせをしてくれるかもしれません。
つまり、お店の側から先にお客様もしくはカード会社に速やかに連絡していれば止めずに済んだかもしれないクレジットカードを、むざむざ使えなくしてしまうことになるのです。
もしそれが後からお客様に知れれば、トラブルのもとにもなりかねません。クレジットカードの返し忘れはほぼ100%カード会社側の過失であるということを正しく認識し、気が付いた時点ですぐに対処するように心がけるべきでしょう。
情報の行き違いは危険!スタッフ間の情報共有は確実に
クレジットカードの返し忘れが発生したこと、そしてその後の対応状況は、必ず社内・店内でお客様に応対する可能性があるすべてのスタッフに周知し、情報共有をしておくことも必須となります。
もし自分一人、あるいはその時その場にいたスタッフだけで情報をとどめてしまっていると、状況を把握しているスタッフの不在時にお客様の問い合わせや来店があった場合に、正しく情報を伝えられません。
万が一、本当はクレジットカードを店内で保管しているのに、それを知らないスタッフが『ない』と答えてしまったら、確実にお客様の心証を損ねてしまうことになるでしょう。
誰が応対しても返し忘れたクレジットカードの保管状況や対応状況を正しく答えられるよう、情報共有は確実にしておきましょう。
不正利用の疑いを避けるために…クレジットカードの保管状況に要注意
お客様と直接、あるいはカード会社を通して連絡がついて、後日クレジットカードを取りに来ていただくとなった場合、一時的にクレジットカードを預かることになりますよね。その際、クレジットカードの保管には十分に注意が必要です。
クレジットカードの機能を停止しない状態でお客様が取りに来るまで保管しておいて、もし後日そのカードに不正利用が発生したとしたら、お店のスタッフが疑われかねません。
事実無根であっても、もしクレジットカードやレジや事務所などに誰にでも触れる状態で保管されていたとしたら、不正利用に携わっていないことを証明するのも難しくなるでしょう。
そのようなトラブルを確実に避けるために、クレジットカードの一時保管は以下のような手順を踏んで行うことをおすすめします。
- ①複数のスタッフ立ち合いのもとクレジットカードを封筒に入れる
- ②立ち合いのスタッフ全員の印鑑・サインなどで封緘(ふうかん)する
- ③最後に責任者の印鑑・サインなどで封緘する
- ④封緘に携わったスタッフの名簿を作成する
このようにしてクレジットカードを保管しておけば、スタッフや第三者がこっそり悪用することは不可能になります。作成した名簿は年単位で一定期間保管することが望ましいでしょう。
なお、お客様にクレジットカードをお返しする際にも、スタッフが封を開けてしまっては意味がありません。事情を説明したうえで必ずお客様自身に開封してもらうようにしてください。
危険!クレジットカードの返却時、本人確認を忘れずに
郵送や自宅へのお届けではなく、お客様自身がお店にクレジットカードを取りに来た場合、必ず本人確認を行うようにしてください。
もし適切に本人確認をせずにクレジットカードを相手に渡してしまったとして、それが悪意ある第三者だった場合、おそらく不正利用被害は免れないでしょう。
そうなると、本人ではない人物にクレジットカードを渡したお店側に明らかな過失があることになり、最悪の場合、損害賠償を請求されることもあり得ます。
クレジットカードを取りに来たお客様には、必ず身分証明書の提示をお願いするなどして、カードの名義と一致していることを確認の上でお返しするようにしてください。
あるいは事前にお客様との連絡が取れている場合であれば、カード利用時の明細の控えを持ってきてもらう、任意のキーワードをあらかじめ伝えておいて店頭で言ってもらうなどの対処も有効です。
とにかく第三者にクレジットカードが渡ってしまうという事態だけは、絶対に起こらないように細心の注意を払ってください。
海外のお客様にカードを返し忘れ!対応はより難しくなる
最近ではインバウンド需要の増加にともなって、外国人の観光客がクレジットカードを利用するのに遭遇する機会も増えています。
こうした外国人のお客様にクレジットカードを返し忘れてしまうということも十分にあり得るのです。この場合、日本人のお客様と比べると対応はかなり難しくなります。
というのも、海外のユーザーが使っているクレジットカードは、もちろん現地のカード会社の管轄となります。
クレジットカードの裏面には日本で発行されるものと同様に紛失・盗難時のサポートダイヤルが記載されているはずではありますが、そこに電話をかけてもその国の言葉でしか対応が受けられない可能性が高いでしょう。となると、意思の疎通は容易ではありません。
各国際カードブランドに連絡可能な決済代行会社に相談するのもアリ
このようなケースでは、1つの手段として決済代行会社に取次ぎを相談するという方法があります。
最近では中小企業を中心に、複数の国際ブランドのクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済サービスをまとめて契約できるように仲介してくれる決済代行会社の利用がかなり浸透してきていますよね。
この決済代行会社であれば各国際カードブランドへの直通の連絡手段を持っているはずなので、返し忘れてしまったクレジットカードのブランドへの連絡の仲介を依頼して対処を仰ぐことが可能な場合もあるかもしれません。
事情がイレギュラーなだけに確実な手段とは言えませんが、決済代行会社を利用している場合は、まずそちらに一度相談してみるとよいでしょう。
国際ブランドの紛失・盗難窓口に連絡を…ただし対応は難しいかも
決済代行会社に取り次ぎを依頼することが難しかったり、そもそも決済代行会社を利用していないという場合は、各国際カードブランドの紛失・盗難関連の窓口に連絡を取ってみるしかありません。
主要なクレジットカード国際ブランドの紛失・盗難窓口の連絡先は以下のようになっています。
国際カードブランド | 連絡先 | 備考 |
---|---|---|
VISA | +1 303 967 1090(コレクトコール) | 世界共通窓口 |
マスターカード | 00531-11-3886 | 日本国内窓口 |
JCB | 0120-794-082 | 日本国内窓口 |
アメリカン・エキスプレス | 0120-020120 または 03-3220-6100 ※アメリカン・エキスプレス・カードのみ ※カードにより連絡先が異なる |
日本国内窓口 |
ダイナースクラブ | 0120-074-024 | 日本国内窓口 |
銀聯カード | 0034-800-800-287 | 日本国内窓口 |
ディスカバー | 0120-794-082 | 日本国内窓口 ※ディスカバーは日本国内でカード発行がないためJCBが代行 |
こうしてみていただくとわかる通り、VISA以外では日本国内から利用できる窓口は原則として日本国内で発行のクレジットカード限定のサービスとなっています。
そのため、海外のカード会社が発行したものでも対応できるかどうかと言えば、確実性は低いのが実情です。
結局のところ、海外のお客様にクレジットカードを返し忘れてしまった場合、本人と直接連絡が取れない限りはお手元にお返しするのは容易ではないと考えておいた方がよいでしょう。
日本人のお客様以上に、クレジットカードの返し忘れが起こらないように注意を払って応対することをおすすめします。
クレジットカードの返し忘れはリカバー可能!慌てず適切な対応を
ですが一方で、個人店など中小規模のお店では決まった対処方法がなく、返し忘れたクレジットカードの扱いに困ってしまうこともあるかもしれません。そんな時にはぜひ、ここでご紹介した手順や注意点を参考にしてください。
たとえクレジットカードを返し忘れてしまっても、適切に対処できれば持ち主のお客様のもとにクレジットカードを無事に返せることがほとんどです。慌てず、なおかつ速やかに対応することを心がけましょう。